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?-2 外国からの技術援助、海外投資家にとって魅力的な投資機会

 

「ビジョン・オブ・フィリピンズ2000」に副って、造船部門の発展を促進する、新たなアプローチが求められている。造船所の整備が加速すれば、合弁事業への投資意欲が高まり、また外国の一流造船所との技術提携を通じて、すぐれた造船能力の習得も期待できる。一部の外国造船所は、すでにこのような事業への投資に関心を示している。

 

?-3 船舶開発研究センターの設立

業界は技術革新と労働生産性向上の必要を感じている。過去の調査結果から、国内の海難事故の原因として、船舶運航体制や捜索・救難活動の不備、設計、工作、改造、修繕工事の欠陥、有能かつ熟練を積んだ船員や造船労働者の不足などが指摘されている。これらの問題は、比較的小さな問題も含めて、適切な技術の継続的適用と、フィリピンで不足している訓練の拡充を通じてのみ、有意義な解決が図れる。中古、新造を問わず、船舶は必要な検査、実験室の試験、海上試運転により、その経済的寿命を通じて耐航性の確保を図ることが不可欠である。一方、船舶の研究者、検査員、その他の熟練技術者が、それぞれの職務に精通するような研修の機会を設けることも重要である。

 

?-4 船舶解撤事業に対する将来の需要

 

フィリピンでは数千の船舶が領海内で通商に従事し、その大半が船齢が高く、先進工業国の基準からすれば、物理的に運航に不適格という事実を考えれば、これらの船舶の解撤が造船所にビジネスの機会をもたらすことになる。フィリピンでは船舶解撤は比較的新しい分野である。一方、船舶を解撤して回収されるくず鉄、再生銅は鉄鋼産業にとって高品質な原料となる。解撤を実施可能な国内造船所もいくつかある。その大半は作業に十分な水深、船底構造解体に適した海岸、小さな潮差などの条件に恵まれている。気候条件や立地も最適である。しかも労働者の賃金は他のアジア諸国より低い水準にある。

これらの利点すべてを考え合わせれば、フィリピンの船舶解撤業には十分な将来性があり、順調に発展すれば他のアジア諸国の解撤事業とも十分に競合可能といえる。

 

?-5 造船、修繕船、船舶解撤に提供される優遇措置

優遇措置により、国内造船所の活力は強化される。SBSR部門向けの優遇措置法案が、現在上下両院で審議中である。

 

 

 

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