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(d)産業用構造物:気象条件が温和で鉄道、海路によるアクセスが便利なことから、HSLは各種の構造物工事をターンキー方式で行うのに理想的な工場であり、また近年、次のような工事に特化している。

i)インドの鉄道向けの橋桁の製作

ii)製鉄、その他の産業用の構造物の製作

iii)この工場は1996年12月、50,000DWTまでの船舶建造についてはISO 9000、産業用構造物についてはISO 9002の認定をLRQAより受けた。

 

(2)COCHIN SHIPYARD LIMITED 所在地コーチン

Cochin Shipyard Limited(CSL)は1972年に政府の全額出資により設立された。同社では新造船と修繕船の2部門が事業の両輪となっている。

(a)新造船:75,000DWT型の撒積船、86,000DWT型の原油タンカーを建造する能力を具えている。これまでに75,000DWT型の撒積船5隻、86,000DWT型の原油タンカー2隻を建造、引き渡した。そのほかに多数の小型艇、タグ、モーター・ランチ、観光用ランチ、バージ、ポンツーンなどを建造している。

(b)修繕船:修繕船部門の能力は100,000DWT、これまでにあらゆる種類の船舶550隻以上を手がけた。この中にはShipping Corporation of India向けのインド籍船、インド海軍や沿岸警備隊の艦艇、ONGCやDredging Corporation of India向けや外国船主向けの船舶が含まれている。

 

(3)MAZAGON DOCK LIMITED(MDL)所在地ボンベイ

MDLは過去3年間、平均売上高(生産価額)が47.3億ルピーに達する、国内有数の造船所。同社は第8次計画の期間中にわずか7,760DWTの商船を建造したに過ぎない。一方では商船の受注低調、他方では艦艇建造の比重増大が、商船建造の低水準を招いた。

第8次計画の期間中、潜水艦を含む艦艇建造への集中と商船受注の不足により、MDLの新造設備の稼働率はきわめて低い水準にとどまった。年間生産能力約24,000MTの海洋機器製作部門も、受注の不足からここ3年間の稼働状況は66%(92〜93年)、46%(93〜94年)、16.6%(94〜95年)、2.52%(95〜96年)と低率に終始した。MDLの商船建造部門は、第7・8次計画の期間中、オフショア補給船、調査船、潜水支援船、タグ等の中小型船しか建造しなかった。この部門でのMDLの寄与分は16,000DWT相当に過ぎない。

MDLは修繕船活動の方に重点を置いている。

 

(4)GARDEN REACH SHIPBUILDERS&ENGINEERS LIMITED(GRSE)

所在地カルカッタ

カルカッタのCRSEは、大型船建造用のインフラと設備が不足している。同社は70年代後期から80年代初期にかけて26,000DWTまでの民間向け貨物船を建造し

 

 

 

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