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人件費:造船は労働集約産業である。インドの人件費は他国に比べてかなり低いので、わが国はこの点で他との比較で競争力がある。世界的に見ても、時代とともに造船能力が地理的に移動した事実が、をれを示唆している。60年代には欧州が造船の中心地だった。70年代には欧州の人件費に上昇、日本の人件費が相対的に低かったため、日本造船業が台頭してきた。80年代には同じ理由から造船活動は韓国に移り、欧州と日本では衰退が始まった。90年代初頭には中国、ブラジル、台湾が造船国として重要性を増した。同じ理由から、未来はインド造船業の時代になるに違いない。

6.技術力:インドにおける技術力の蓄積は大きい。したがってインド造船業成長の過程で、技術面でネックが生じる懸念はない。

7.造船需要:今後インド国内船主の新造需要は大幅増加が見込まれ、したがってインド造船業にとって大きな市場が形成されるものと思われる。

8.造船業再生のための政府施策

今後5年間で公共部門造船所を再生させるために、政府は下記の施策を行っている。

i)国内船、輸出船を問わず、政府が30%の補助金を支給する。

ii)為替変動の影響をなくすために船価を米ドル/日本円建てで固定する。

iii)公共部門造船所に発注するインド国内船主は、国外商業債券(ECB)の発行を認められる。

 

? 修繕船

 

?-1 総論

 

能力の制約のために、多数の船舶が国外で修繕を受け、そのため巨額の外貨が流出している。この問題に配慮して、海陸運輸省では国内に修繕船設備を増設することを検討している。公共部門造船所も修繕設備の増設を実施してきた。さらに各港湾における修繕設備の設置を促進するために、政府は港湾当局に対し、港内に修繕設備の設置に関心を示す民間事業者に土地とウォーターフロントを提供するよう要請している。

 

?-2 インドの修繕船事業に対する優遇措置

 

船舶修繕は公的な免許を必要としない事業で、民間事業者の自由な参入が可能である。

100%輸出志向事業に適用される以下の優遇措置が、修繕船事業にも適用される。

i)税関当局が、所在地がどこであろうとも業界に保税施設を提供。

ii)業界が必要とする資本財、原料、構成部品、消耗品、交換部品、資材ハンドリング機器等に対する輸入税免除。

iii)外国との提携または外国人専門家による一時的援助を実績次第で許容。

 

 

 

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