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理制度の全面的認証を受けていますが、まだ受けていない造船所もまもなく受ける見通しです。本来高い水準を志向していることとあいまって、これによりオーストラリアの造船所は、鋼船体、アルミ船体を問わず、トロール船やエビ漁船から貨物船、巡視艇、高速豪華艇にいたるまで、世界的にその高い品質を評価されることになりました。

 

オーストラリア造船業は、高速双胴船、特殊漁船、豪華動力ヨット等、特化した市場でも活躍しています。特にすぐれた実績を上げている企業としては、以下の各社があります。

 

●西オーストラリアのAustal Shipsは中国市場向けに40メートル型前後の高速アルミ船体フェリー35隻以上を建造しました。他にも多数のフェリー、観光船、オフショア支援船等を建造していますが、最近では82メートル型Ro/Ro式高速フェリー1隻をマレーシア船主に引渡しました。現在は東南アジア向けに86メートル型フェリー1隻を建造中です。Austalは日本市場にも高速フェリーを輸出した実績があります。

●Australian Defence Industriesはオーストラリア政府の国有企業で、オーストラリア海軍向けに一連のGRP沿海掃海艇を建造しました。この種の艇についてもかなりの輸出需要が見込まれます。

●Australian Submarine Corporationはオーストラリア海軍向けに最新鋭のディーゼル駆動潜水艦6隻を建造中です。この型の艦艇についてはかなり海外からの関心があります。同社はまたタイ企業との合弁事業でタイ海軍向けに巡視艇を建造しています。

●Brisbane Ship Constructionは最近設立された会社ですが、ベトナム税関向けにハイドロフィールド型高速巡視艇を連続建造中です。

●Geraldton Boat Builders(GBB)は最近、シンガポール水上警察向けに高速巡視艇約20隻という大口契約を獲得しました。GBBは数年前からアルミ船体の巡視艇と20メートル型の高性能イセエビ漁船を建造しています。その設計は乗り心地のよさで知られ、オーストラリア海軍や漁民、さらに州政府の警察や漁業監視機関にも好評です。同社は日本、その他にも輸出していますが、輸出市場をさらに拡大すべく努力を続けています。

●Image Boat Buildersは船体長30メートルまでのアルミ艇に特化しています。当初は西海岸のイセエビ漁船市場に集中していましたが、現在はフェリー、その他の船種にも多角化しています。高速フェリーをアフリカ、フィリピン、日本に輸出した実績があります。

●タスマニアのInternational Catamarans Pty Ltd.はこの分野で国際市場のペースセッターともいえる造船所です。長い間破られなかった大西洋横断スピード記録を3時間近くも短縮した「ホバースピード・グレート・ブリテン」を建造したのはこの会社です。同社のいわゆる「ウェーブピアサー」型双胴フェリーは、高度の品質と性能で世界

 

 

 

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