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会員企業を組織化して、受託体制を整える。

中小規模かつ多様な業種構成による地場企業の連合体が、インターネットを利用することで共同受注の仕組みを立ち上げ、成功した点が注目される。

?NCネットワーク「中小企業向け情報サービス」

東京都と埼玉県の製造業9社が集まって「NCネットワーク」という組織を作り、中小企業向けに、インターネット接続、情報提供サービスを提供し始めた。法人化は98年4月頃を予定している。

サービスメニューには、加工技術別、得意分野別、所在地別、機械設備別などで検索可能な工場データベース、参加各社の工場の稼働状況が一日でわかる週間天気予報サービス、CAD/CAMデータ変換サービス、セットアップパソコンの販売などが予定されている。

製造業中心の中小企業が連帯し、中小企業を対象とするネットワーク事業・情報提供事業を立ち上げようとしている。

?(株)福島製作所「部品調達・加工発注システム」

造船業界における資材調達EDI(電子データ交換)システムの導入事例である。インターネットを利用することで、月額34万円の費用(機器レンタル・ソフト購入費含む)で実現した。参加取引先企業は320社である。これら企業は全取引企業数の1割程度であるが、これら企業の取引量は全取引量の8割を占めるとのことである。

設計・生産部門からの購買要請を手書き伝票を起こし、郵送で処理していたものを、設計・生産部間が直接ホストコンピュータにデータを入力、翌日調達部門のPCから取引企業にとりまとめて発注をかけるという形に変更した。その結果、大幅な事務処理の効率化が図られ、調達部門担当者の様々な負担は軽減されることになった。

造船業界における先進事例である。インターネットの活用で、低コストで資材調達EDIを実現した。

 

 

 

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