かれている位置が正面図に対して相果していることがわかる。すなわち,『平面図は,第三角法では,「みる方向」からみて,正面図(立体が正面図のような姿勢でおいてあると想像する。)の「てまえ側」に,第一角法では,正面図の「むこう側」に,画かれている』ということである。同様なことが,右側面図についてもいえる。
前記の「正面図を対照の中介図にした考え方」と同要領で,正面図に換えて,平面図または右側面図を対象にしても,各投影図の関連性については,全く同じことがいえる。
このことは,(I)図に示すように,正面図,平面図,右側面図などの投影図の名称には関係なく,「みる方向」と各投影図が画かれている「相互の位置」によって,その投影法が判別できる,ということである。すなわち,投影法の判別要領としては,一つの投影図のところに,その投影図に示されているような姿勢で立体がおかれていると考えて,これを「みる方向」からみた投影図が,「みる方向」からみて,その投影図(立体)の「てまえ側」に画かれている場合は第三角法であり,その投影図(立体)の「むこう側」に画かれている場合は第一角法である。
この判別要領は,一例として示したに過ぎないが,各自がそれぞれに納得した判別要領を身につけるべきである。
(4)第三角法による投影図のかき方
第三角法で投影図をかくときは,つぎのようにする。
(イ)立体の特徴をあらわす面を選んで,正面をきめる。
(ロ)はじめに正面図の位置をきめ,これをもとにして,平面図,側面図の位置をきめる。
(ハ)正面図と平面図が同じ図形になる場合は,平面図はかかなくてもよい。また,平面図,側面図のうち,どちらかがなくても,その形や大きさがわかる場合は,いっぽうを省略してもよい。
(ニ)円や対称図形には,中心線をひく。
(ホ)みえる部分の形は外形線で,かくれてみえない部分の形はかくれ線でかく。
(ヘ)かくれ線を多く使うと,図面が読みにくくなるので,できるだけかくれ線を用いないですむように,図示する面を選ぶ。
(5)投影法と尺度の表示および用紙の大きさ
図面をかくときは,先ず投影法を決める。機械製図では,原則として第三角法を用いる。この場合,図中に「第三角法」と,記入する。なお,適用している投影法がわかっているときは,記入しない場合がある。