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従来の燃料噴射装置に比べユニットインジェクタは長い高圧管がないので噴射ポンプとノズルの間の容積(高圧部容積-デッドボリュウム-)が非常に小さく,高い噴射圧力が容易に得られる。

噴射圧力の比較を一例として2・8図に示す。

又高圧で噴射しても高圧通路内の圧力変動が小さいので2次噴射による燃焼性能劣化やキャビテーションエロージョン等による耐久性の劣化も起こりにくい。

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(b)噴射の遅れが小さい

従来の燃料噴射装置は長い噴射管内での圧力伝播によって噴射が行われるので高速回転になると噴射遅れが発生する。従ってこれを補正する手段として噴射進角装置を設けるか静的噴射始めを早くしておく必要がある。

ユニットインジェクタは高圧管(テッドボリュウム)がないので,この噴射遅れが小さく進角装置を必要としない。

(c)ユニットインジェクタ駆動装置,制御装置が複雑

従来の燃料噴射装置に比較して,駆動系はユニットインジェクタがシリンダヘッドに装着されている関係上吸排バルブ同様ロッカアーム方式にするか,オーバーヘッドカム方式にする必要があり複雑となる。又高圧化の為に駆動系の剛性もより高める必要がある。制御系も調速機とのリンク装置がシリンダヘッド上になり複雑になる。

 

 

 

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