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プランジャバレルはポンプ本体によって完全に保持され動くことは出来ないがプランジャは上下運動と共にコントロールラックによりプランジャ上部のピニオンギヤを介して回転するようになっている。プランジャバレルの下部にはチェックバルブの有るものもあるが,スプリングケース及びノズルがノズルボデイ(ナット)により取り付けられており,圧縮された燃料はスプリングケースに設けられた油穴を通りノズルに送られる構造になっている。

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(2)作動

2・4図はユニットインジェクタの主要作動部で,その作動を示す。プランジャはカムによりタペットを介して押し下げられ,プランジャスプリングで押し戻される一定の上下運動を繰返し行う。

(a)燃料ポンプにより送り込まれた燃料油はノズルボデイ,ポンプ本体とプランジャバレル外周によって作られた油溜室に充満されている。そしてプランジャの上昇工程で,バレルの吸排出孔より吸い込まれたプランジャ室を満たす。(2・4図(A))

(b)プランジャが下降し,プランジャの下辺がバレルの吸排出孔を塞いだ時(静的噴射始めという),油溜室とプランジャ室は遮断されプランジャの下降と共に燃料油の圧力が上昇する。(2・4図(B))

(c)更にプランジャが下降し,圧縮された燃料油がチェックバルブ(有る場合)を開きノズルに至る。更に圧力が上昇してニードルスプリングに打ち勝ちノズルチップより燃焼室内に噴霧される。

(d)プランジャの上部リードがバレルの吸排出孔を覗いた瞬間,プランジャの縦溝より高圧燃料油は急速に油溜室へ戻され噴射が終わる。(2・4図(C))

 

 

 

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