4.内航船用主機関(低速機関)の趨勢
1)機関性能の推移
内航船に搭載されている主機関の大きさは、シリンダ径約600mm以下、出力約7000PS以下である。
昭和40年代に、過給機空気冷却器付機関による高過給化が本格化し、従来正味平均有効圧力9〜10kgf/cm2であったものが、14〜18kgf/cm2まで上昇した。
以後、主要構造物は勿論のこと部品個々についても耐久性の向上が図られ、現在では正味平均有効圧力は23kgf/cm2までに到っている。
出力率も同様に上昇し、現在では160kgf/cm2・m/s程度までに到っている。高速機関に比して低い値にとどまってるのは、ピストンスピードが抑えられているためである。
正味平均有効圧力の推移を1・12図に、また出力率の推移を1・13図に示す。
燃料消費率の低減については、高速機関以上にたえず不断の研究努力が続けられており、現在では130g/PS・hの水準に達している。さらに機関回転数を低くして大径のプロペラを装備することにより、推進効率を向上させ、燃料消費の低下を図っている。