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過給機はラジアルタービンが主流であり、タービンケーシングは、タービン効率上有利な空冷を主に採用しているが、一部に水冷ジャケットを備えたものもある。コンプレッサの材質も高圧力比に対応して従来のアルミ精密鋳造品でグレードアップを図ったり、アルミ鍛造の総削り品として強度を上げている。タービンは動圧パルスを有効に利用できるツインスクロール形が多く、低負荷から高負荷までの全域での高性能を狙っている。

 

2)高圧噴射化

高出力化にともなって多量の燃料を一定期間内に噴射することが必要となり、そのために燃料噴射圧も高圧になってきている。

従来のボッシュ式ポンプでは長い燃料噴射管があるため、高圧化をすすめていくと、キャビテーションによる噴射管の損傷や2次噴射による性能悪化等が発生してくるので、高圧化にはおのずから限界があり、デリベリバルブにダンピングバルブを採用するなどして、現在900〜1000kgf/cm2まで達成している。

一方、上記の不具合を解消して更に1000kgf/cm2以上の高圧噴射を可能とするため、噴射ポンプとノズルを一体化し、燃料噴射管を無くしたユニットインジェクタ(1・5図)を採用した機関も出現している。

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