第1章 技術動向
舶用機関は主機・補機いずれについてもその目的、用途により市場要求品質は多岐にわたるが、ここでは、シリンダ内径160mm以下の舶用主機関(20?未満漁船主機)を中心に、(1)高出力化(正味平均有効圧力、出力率)、(2)軽量化(馬力当り重量)、(3)低燃費化(4)内航船用主機関の趨勢などを通して技術動向について見ることとする。
1.高出力化
高出力化については、昭和57年(1982年)の漁船法改正と市場ニーズの船速アップが高出力化競争に拍車をかける結果となり、現在最大出力における正味平均有効圧力は、1・1図に示すように21kgf/cm2(2.0MPa)前後であり、また、ピストン単位面積当たりの出力に比例する出力率(PV値)は、240kgf/cm2・m/s(23.5Mpa・m/s)にも達しており、1・2図よりも判るように、この値は1983年以降12年間で約60%以上も上昇している。
この高出力化は、1)高圧力比過給機の開発 2)高圧噴射化 3)熱負荷対応によるところが大きい。