4.4 情報通信と放送の併用による新たな可能性
ディジタル放送は放送のみならず情報通信オンラインサービスのプラットフォームとなる可能性がある。そういう意味で、ディジタル化時代のコンテンツやサービスのあり方については文字放送や地上波データ放送(1996年開始)などの先行メディアの利用実態と経験を踏まえつつ今後のディジタル化のスケジュールを見極めることが重要であろう。
1情報処理においてある情報をより少ない情報量で記録すること圧縮と呼ぶ。動画や音声などの膨大な情報を扱いやすくするマルチメディアの基幹技術である。圧縮には元の情報を100%再現できる「可逆圧縮」とそうではないが圧縮率の高い「非可逆圧縮」がある。動画像(いわゆる「ムービー」)の場合は、画面の動いていない部分(背景など)を省いたり、輪郭以外の部分を情報量を減らす不可逆圧縮が用いられる。非可逆圧縮には音楽におけるミニディスク(MD)や静止画像におけるJPEG方式などがある。
2Microsoft、Intel、Compaqの3社が結成した任意団体であるDigital TV Team(ディジタルTVチーム)が480P方式を提案。これはパブコンになじみやすいプログレッシブ表示方式を提案したが、大手ネットワークなどテレビ業界が一斉に反対の立場をとった。(1997年)