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4.3 放送のディジタル化のもつインパクト

 

地上波テレビ放送のディジタル化を例に、「アナログからディジタルへ」の変化が、どのような可能性をもつか探る。

●チャンネルの経済化

ディジタル化にともない情報の圧縮1が可能となる。アナログ放送と比較し、少ない伝送帯域で多くの情報を伝達することができる。たとえば通信衛星の一つの中継器(トランスポンダー)で、アナログ放送は1チャンネルの放送を行えるのに対し、ディジタル放送ではおよそ3〜4チャンネルを確保することができる。

したがって放送事業者側の立場では、地上波テレビよりも低いコストで参入するための条件が整ったといえる。

●多チャンネル化

衛星ディジタル放送が100チャンネルになったように、地上波放送も理論上はチャンネルが増えると予想される。

多チャンネル化に際し、放送事業者にとって重要な事は、「いかに多くの魅力的なコンテンツを保有しているか」である。競艇は、レース中継等、日々新たなコンテンツを提供できる点から、魅力的なコンテンツ提供者となる可能性がある。

また、多チャンネル化に伴い、放送事業者の勢力地図の変化も想定されるため、コンテンツ提供に際しては十分な動向把握が必要である。

●電波帯域有効活用促進

地上波ディジタル化において先行する米国、英国においてはディジタル実用放送の開始後も当面は既存のアナログ放送で同じチャンネルを放送する(サイマル放送と呼ぶ)予定だが、いずれはアナログ放送を廃止する予定である。この「浮いた」分の電波帯域は、利用者が激増したため「枯渇」が危惧されている移動体通信(次世代携帯電話など)用の帯域に割り当てられる可能性が高い。

 

 

 

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