?A リアル性の追求
このゲームは細部にもこだわっている。実況中継、調教、血統、レース、騎手など本物さながらのリアルさである。自分が育てた馬を「日本ダービー」や「有馬記念」などのレースに出場させて、トウカイテイオーなどのかつての名馬や現役馬と競走させたり、実際の名騎手を乗せたり、実際の競馬界同様、血統や調教の善し悪しが影響したりと、このようなリアルさも人気の一つであろう。最新版ではレース前のコース紹介やレース後のリプレイ、勝負服のデザインなどの新しい機能も追加されている。
?B 他プレイヤーとの対決機能
さらに、自分が作った最強馬を他のプレイヤーと対決させる「ブリーダーズカップ」機能もあり、アスキーが「ダビスタ96ブリーダーズカップ」というゲームの中で育った競走馬の全国大会なども主催している。1997年8月15日には実際の大井競馬場で「ダビスタ帝王賞」というゲーム大会が開催された。この大会の目玉は、大井競馬場の「帝王賞」というレースに合わせたダート2000メートルの特別コースで行われ、その模様は本物のターフビジョンで放映されたことである。
3.2.3 ゲームによる競馬ファンへの促進効果
「ダビスタ」の購入者は大学生が中心だが最近は中学生や小学生のファンも増えてきているのが現状である。小学校や中学校では男子生徒の3分の1が競馬ゲームを持っているという学校もある。
このように実際の競馬をできない学生が競馬ゲームを通じて競馬の知識を貯えていくことは間違いないであろう。競馬のルールや血統の見方、レースの勝ち方など実際の競馬で必要な知識をそのままゲームから得ることができるのである。これは間違いなく将来の競馬ファンをつくりだしていると考えられる。「ダビスタ」から実際の競馬を始めたという競馬ファンも多い。「ダビスタ」が最近の競馬人気に拍車をかけた一要因であると想定される。