は じ め に
マルチメディアに代表される情報技術の進展は、人間の感覚を増幅させ、離れた場所との高度なコミュニケーションの実現など、人間の活動に多くの影響を与え、目的に応じた仮想的社会を形成する可能性を秘めている。
このような高度情報化時代において、競艇は広域発売の拡充に向けた情報ネットワークシステムの基盤整備を着実に進める一方で、若者層を中心とした新規ファンの裾野をひろげるためのさまざまな取り組みを推進している。
本年度は、前回の調査研究結果に基づき、若者の競艇参加促進のために「インターネット技術を用いた在宅投票システム」「競艇体感型シミュレーションモデルシステム」の研究開発事業が推進された。
近年若者が強い興味を示し、日常において接触の多い「インターネット」と「都市型アミューズメントパーク」に競艇との接点を提供することにより、若者は競艇を理解し、興味を抱くことが期待される。
本調査研究では、上記の二つの研究開発事業の本格的展開に先駆けて、若者層を中心とした新規競艇ファン拡大への有効性を検証し、さらにその効果を最大限に引き伸ばすための要件を明確にする。
これらを通して、今後の情報提供や投票機能の拡充の方向性を探索しつつ、競艇の「いつでも、どこでも、おもしろい競走」の理念を推進し、一層の発展に資することを目的とする。
なお、本書をまとめるにあたり、ご協力とご助言をいただいた多数の業界関係者各位に改めて謝意を表する次第である。
平成10年3月