(8)メディアミックスの検討
ここで述べる「メディアミックス」とは、
?一元管理された観光情報のストックから様々なメディアに適合するよう編集加工し、繰り返して使用すること。
?特定のイベントや季節的なプロモーション等に際して、複数のメディアの有効な役割分担をした上でそれぞれに情報を提供していく全体の仕組み。
のことである。
マルチメディア情報はその性質上、多様なメディアでの利用が可能である。
たとえばワープロで作成した原稿は印刷物に利用できると同時にテキストデータとしてインターネットのホームページにも利用可能である。
情報のマルチメディア化にあたっては、データの有効利用を図るためのメディア戦略を優先することがポイントとなる。
(9)地域内の「観光情報ボランティア」の発見・支援・連携
日光市の事例でも明らかなように、行政による観光情報の収集・提供にあたっては、地域の協力者(=ボランティア)の存在が大きな力となる。
ヒヤリング調査を通じて、基本的に情報を持つ情報提供者の側は提供が可能であるが、その情報を通じて集客が増える仕組みが見えないために及び腰になっているケースが散見された。
これらの潜在的な情報提供者に対して、具体的な情報収集の仕組みを提示し、かつ集めた情報の提供手法を明示すれば協力を得られる可能性は高いと考えられる。これら情報の提供者、収集の協力者を組織的に支援することが円滑な情報収集のひとつのポイントである。
(10)現場におけるコンピュータ・リテラシーの向上
マルチメディア型観光情報を収集・提供するにあたって、情報の収集者と提供者の双方に、基本的なコンピュータ操作の知識があるならばマルチメディア型観光情報の流通がより円滑に行われるのは確実である。
具体的には、情報のマルチメディア化がより情報の発生源に近い場所で行われることになり、情報流通のスピードアップにつながる。
関係者への講習等を通じて、コンピュータ・リテラシーの向上を図ることも課題となるであろう。