【ポケットベル】
1000万台の普及を見たポケットベルだが、PHS/携帯電話の普及に伴い、市場自体は縮小傾向に向かうことが予想される。これに歯止めをかけるため、従来以上に多様なサービス展開、新機種の投入、情報サービスの強化等が行われると予想される。特にインターネット等との連携の可能性が注目される。
■現時点での基本性能
漢字ひらがなカナ文字表示、インターネットメールの受信、オートダイヤル機能、メッセージメモリ。
■価格動向
1万円以下の低価格機種が投入されているが、拡販競争の続くPHSや携帯電話等に比べると実際の販売価格はむしろ高く割高感がある。
■普及台数及び普及の見通し
現在約1,000万台が普及。しかし市場は均衡、ないし、わずかながら縮小傾向にある。その要因としてはPHSや携帯電話への移行が進んでいることがあげられる。
■機器特性
○軽く小さく気軽に持ち歩ける「最小の情報機器」である。
○電波浸透力が強いため、情報を受ける範囲が広い。また、緊急通報ツールとしても有効である。
○情報伝達機器として速報性に富み、また文字情報伝達機器として確実性がある。
○同報性がある。
■方向性(技術面)
○数字表示からカナ表示へ、更には漢字表示、そして表示文字数の増加へと機能が強化された。現在は最大で全角50文字が表示可能となっている。
○小型化、軽量化が進む。一部ではPHSや携帯電話への機能的統合をしたポケベル機能付きPHSが登場している。
○パソコンへのデータ転送等、パソコンとの連携が進む。
○インターネットメールのポケベルへの転送受信等、インターネットとの連携が進む。
○イベント情報、天気予報等、情報サービス機能が付加される。
■方向性(市場面)
○漢字情報サービスの開始等、ポケベルの情報メディア化、情報サービス機能の強化に伴って多くのIP(情報提供者)が現れ、ポケベルのコミュニケーションツールとしての側面に加えて情報伝達ツールとしての側面が強調されつつある。
○新市場の開拓(子供向けのキッズベル等、特定の顧客向けの機器/サービスの提供)が進みつつある。