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(6)環境影響への配慮

 

〈自然環境の保全〉

・当計画地区は、ダム建設に伴う土取場跡地を利用して、展望園地施設とオートキャンプ場を整備していくもので、既に各施設利用を想定した基礎整備がされている用地である。

・したがって、施設整備にあたっては、基礎整備された用地を効果的に利用していくことを前提に、造園計画・環境整備的な視点から整備していくものであり、部分的な切盛、整地造成を主とし、新たな林地伐開等は行わないものとする。

・森林の保全と共に、ペーパンダム湖の水質保全は、当地区の重要な視点の一つである。

・「旭川市21世紀の森」での汚水処理方法は、各ゾーン毎を基本に排水基準に合わせて、ダム湖等へ放流する計画としている。既存施設では、基準値を大きくクリアするB.O.D.30ppm以下としており、当計画においても、生活汚水は全て合併処理による二次処理を基本とし、ダム湖の水質保全を図っていくこととする。

 

〈景観への配慮〉

・エゾマツ・トドマツやシラカバなど森林と豊かな水を湛えるペーパンダム湖の景観が「旭川市21世紀の森」のシンボルである。

周囲約3.2km面積約30ha程の小さな湖と、緑豊かな森林に囲まれた空間は、全体の見通しが良く、心地よい開放感ある場所となっている。地元安山岩のロックフィルの堤体も、周囲の森林に程よく溶け込み、自然と人工の調和した景観をつくりだしている。

・計画地区のレストゾーンは、ダム湖を見下ろす右岸の高台にあり、対岸からも全体を見通すことができることから、法面を植栽で覆うなど、造園計画・環境整備的な視点に立って整備を行い、「21世紀の森」全体の修景に配慮していく。

・オートビレッジ施設整備にあたっては、道路サインやさまざまな標識、施設案内も必要となる。当計画では、「旭川市21世紀の森」全体を中核的施設群として、一体となるサイン計画が基本となるが、旭川市全域がオートビレッジであり市全域での景観・修景計画に基づいたサインネットワークも必要である。

 

〈植栽計画への配慮〉

・新たな植栽樹種は、地域の潜在植生を生かしたものを基本とするが、前述したように明るく気持ちの良いオートビレッジを演出する上からも、展望園地施設と一体となった植栽計画が必要である。

ポプラ・プンゲンストウヒ・ナナカマド等による幹線道路沿いの植樹をはじめ、明るい木陰をつくるシラカバ・ハルニレなどによるキャンプサイト・広場への植栽等地域性のある植栽計画を基本とする。また、ラベンダーなどハーブ類やエゾヤマツツジ・ハマナス・ヤナギラン・ツルリンドウなど、園内一帯を彩る四季折々の草花での面的な植栽も含めた植栽計画を行うものとする。

 

 

 

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