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を持ってまいりたいと思っています。今後ともご支援いただければ大変ありがたいと思う次第です。

それでは与えられた時間で現況なり、今後の施策なり説明させていただきます。

竹田兵庫県商工部長 兵庫県は北緯35度と東経135度の子午線が県上の中央で交わっております。北は日本海、南は瀬戸内海を経まして大平洋に臨む淡路島まで広大な面積をしております。この地域は5つの顔を持ち、個性豊かな地域構成をしております。2つの国立公園をはじめ、世界文化遺産に指定された史跡や遺跡も数多く、また、関西地区ではよく知られた温泉地があります。地域に根ざした伝統文化もあり、都市と農山漁村を併せ持った兵庫県は多彩な観光資源に恵まれています。年度別入込み客数は7年度に震災の影響で8,888万人に落ち込み、8年度には1億455万人と増加に転じましたが、被災地は依然として回復途上にあります。

地域別では、神戸が8年度には2,113万人と急激に回復、但馬地域はO-157やロシアタンカーの重油流出事故による影響や冬の雪不足により平成6年度をピークに減少傾向にあり、8年度は1,083万人にとどまっています。一方、丹波地域は日帰り客を中心に微増し、343万人と過去最高の入込み客数を記録しました。

大きな痛手を受けました観光施設等の復旧状況はこの1月現在で9割以上の回復をみており、交通アクセスも、阪神高速道路神戸線の早期回復をはじめ、主要な道路はすべて復旧回復しております。昨年末の山陽自動車道の山口県までの開通や今後の明石海峡大橋、神戸淡路自動車道の開通による中国四国方面からのアクセスの向上、また、JR舞子駅に快速電車の一部が停車し大橋観光が極めて便利になるなど、来訪客の増加が大きく期待されます。震災後の観光復興のこれまでの取組みは、まず、第1段階は震災のマイナスイメージの払拭、心理的な阻害要因の解消を課題として観光兵庫県復興キャンペーン推進協議会を設立。それを核にテレビCM、神戸ルミナリエの開催支援など幅広い事業を展開してきました。8年度は県外に向けた観光復興情報の提供と観光PR、全国縦断キャラバン隊の派遣、旅フェアへの出展、会議の誘致、メディアを活用したキャンペーン事業等に取組んできました。また、運輸省の協力を得て、阪神淡路観光復興促進デスティネーション協議会を発足し、復興事業に成果を出しました。今後とも観光展の開催などの観光兵庫を魅力づける復興事業に取組んでいくこととしています。また、モデルルートの策定ということで明石海峡大橋ビッグプロジェクトを起点に県外とつないだルートを設定、全県的に誘客を図っていきたいと考えています。

今後、世界的な大交流時代が到来し、瀬戸内海3橋時代を迎えるわけで、近隣府県との協調と連携により、広域的な視点からの総合的な観光魅力の創出や国際観光テーマ地区等の設定等、ソフト・ハード両面にわたる受入れ体制の整備が緊急の課題であると思っています。

(ビデオ放映)

 

2 神戸市からのPR

 

下村神戸市産業振興局長 続きまして神戸市の観光をPRさせていただきます。神戸は六甲山あるいは大阪湾、瀬戸内海に囲まれており、大変自然に恵まれた地域です。観光関連産業に従事する方は約2割、事業所数では約3割です。1993年にアーバンリゾート神戸’93を開催しましたが、これは町ぐるみ全体を見ていただくという仕掛けで半年間にわたり展開しましたが、このアーバンリゾート都市づくりを大きなテーマとし、取組んでいるところです。

観光地を見てみますと、まず、北野に開港とともに外国人が建てた洋館群の異人館が当時のまま残っています。これを利用したブティックや各国料理のレストランがたくさんありますが、本年夏には北野小学校が統廃合で空き校舎になるのを活用して、観光バスの駐車場を備え、地場のファッション産業の方などによる工房をつくりたいと考え、現在準備中です。さらに有名なトアロード通りを南へ下ると洋館が立ち並ぶ旧居留地があり、そこで神戸ルミナリエを開催し、昨冬には473万人の来場者を記録しました。ここから西には南京町=中華街があります。さらに南へ下るとメリケンパーク、ポートタワー、海洋博物館があります。今回の震災で港湾施設が壊滅的な打撃を受けましたが、その被害状況を残そうと岸壁そのものを保存した神戸港震災メモリアルパークが昨年7月オープンしました。さらに西側に行くと神戸ハーバーランドという、かつてのJRの貨物駅の跡地、岸壁、倉庫のエリアがあり、現在は、ショッピングにグルメに若者たちの人気ゾーンとなっています。さらに中突堤・ハーバーランド地区は内航航路の拠点、クルーズ客船などの拠点ともなっています。このほか、新長田周辺に靴の製造工程が見られるシューズギャラリー、あるいはアジアタウン構想といったものを展開し、情報発信しようと思います。都心ウォータープロントの創造をテーマとして、メリケンパークを中心に整備が進められており、中突堤中央ターミナルがバリアフリーなアメニティターミナルとして今春オープンする予定です。さらに異人館からハーバーランドまで、シティルーフ°バスを走らせ、周遊観光ルートの開発を行っています。それから東部の方にはNHKテレビの「甘辛しゃん」の舞台となった灘の酒蔵、六甲山の夜景、有馬温泉などがあります。有馬温泉も被害を受け、あるお寺は倒壊し、再建されましたが、実はその時、太閤秀吉ゆかりの温泉ということで湯殿の跡が発掘され、歴史資料館として整備が進められ

 

 

 

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