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紀の日本をどう考えるかという大きな視点で捉えていただくことをお願いしたい。

 

第1日目の審議では、各委員から以上のような意見や提案などの発言がなされた。

これらの意見等については、事務局で取りまとめ、第2日目に「新しい展開方針」(修正報告書案)として提示したうえ、改めて審議することとなった。

 

議事-第2日目

 

議題(1) 「観光立推進運動」のこれまでの総括と

21世紀に向けての新しい展開方針(修正報告書案)の審議

 

第2日目においては、第1日目の討議おける各委員からの意見や提案を踏まえ修正を加えた報告書(案)が事務局から提示され引き続き審議に入った。

審議における委員からの主な発言は次のとおり。

なお、第2日目の会議は、石井運輸省観光部長の司会、石月(社)日本観光協会会長及び貝原兵庫県知事の共同議長体制で進められた。

事務局説明概要 昨日、委員の方から、日本の公共料金が高いのは、土地税制や人件費負担に起因するとの指摘があり、税制や労働力問題をもう少し考えてほしいとの意見が示されました。また、インフラの施設整備に当たっての公的助成とか税制面での特段の配慮といった要望もなされましたが、これらは今回の会議の検討範囲を超える問題もあり、表現として「官民一体となって旅行費用の低廉化」に向けて努力するとの修正を行いました。

名古屋商工会などで取り組んでおられる産業観光の提案については、「地域産業や地域の暮らしぶりを紹介する観光の開発等の新たな観光魅力を創出」するとの表現を追加しました。また、海外直結の時代になり、地方公共団体自ら海外宣伝を行う必要があるとの意見に対しては、「外客誘致に効果的な観光PRの工夫」との表現を追加しました。さらに、情報提供の充実に関して、富山県のホタルイカを例に、リアルタイムの情報を観光客が検索できるシステムの構築が必要との意見がありましたが、これに対しては、情報システムの開発とその拡充に向け努力していく必要性を追加しました。そのほか、WACの会議の目標を一言でいえるようなメインテーマ、キャッチフレーズを設定することによって優先度の高い課題を中心に、重点的に検討すべきとの意見があり、その旨を追加しました。

遠藤委員 修正案の内容は整っていまして、意見はありませんが、ちょっと感じている点を申し上げます。21世紀の国内旅行は、一体何が中軸になるのかという観点ですが、一つは滞在型観光。また、7日から10日間の長期周遊型の外国人旅行。日本人に関しては1泊か2泊の周遊観光という国内旅行が展開されると思います。そういう中で、21世紀に向けた観光の新しい課題は、報告書の中にほとんどのキーワードが網羅されていますが、要約すると「住んでよし、訪ねてよし」という言葉になります。国内旅行の魅力が薄れたのは、実は訪ねる観光地がみんな同じように見えてしまうためです。これは50年間かけて開発してつくってきた結果の一つの罪で、没個性、個性のない街づくりに問題があったという反省を行う必要があると思います。そこで、原点に立ち返ってソフト、ハード両面から街づくりを目指す。施設の整備に関しても、沖縄の首里城の例もありますが、官は省庁の枠を越えて、集客力を持つような施設整備を目指してほしいと思います。

松田委員 国内観光地の開発についてお話がありましたので、長崎の出島のことについてお話しします。この出島は日本の近代化の曙、明治維新を物語る歴史的なものですがこれを幕末に埋め立ててしまったのは非常に残念なことで、今、この復元を行っています。出島の例だけでなく、もう少し各地方独特の歴史を見つけ、よくわかるような形で展示、資料を集める必要があります。歴史は観光の面からも非常に大事なものだと思います。先日、東南アジアのお客さんから明治維新のことを知りたいということを聞いてびっくりしました。各国も今、明治維新と同じ状態で、だから日本のことを知りたいと。そこで出島の話だけでなく、もう一度明治維新の時代を掘り起こしてみるのも大事なことだと考えます。

福田委員 TAPの効果が地方の観光開発に役立ったという意味では120%の効果を評価していますが、ちょっと先の問題を2〜3点申し上げます。一つは東南アジアの経済危機状況、これは一過性で4〜5年すれば平常になるとは思いますが、その間をどうするのか。やはり中国を対象にせざるを得ないのではないか。その場合、ビザの問題に対応し、もう少し簡単に日本へ来られるような体制をつくる必要がある。また、10年先には日本の人口が1億人を切るという少子化時代。これに対応するためには長期滞在型、つまり従来の旅行日数を倍にすれば何とかなるのではないか。さらに、現在の行政機構改革の中で、観光がどの程度評価されるのか。せめて観光局を創設するぐらいの行政改革であってほしいと願います。

石井運輸省観光部長 これから中国は、21世紀に向け巨大なマーケットになると考えられますので、ビザの問題についてお話させていただきます。ビザというのはある

 

 

 

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