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コミに対する観光説明会、懇談会の開催、また、実際に現地を訪問していただく招請事業も行いました。さらに、ガイドブックや著作権フリーの写真集の作成配布、そのほか郷土芸能を活用した島内イベントの開催や観光交流活性化のために各県相互に郷土芸能団体を派遣し合う祭の輸事業、ミニ観光展などを実施しました。

国際観光の振興につきましては、国際観光振興会の協力をいただき、平成5年にハワイ、平成6年にシドニー、平成7年にロサンゼルス、平成8年には香港と、これまで4回の海外キャンペーンを実施してまいりました。また、フォローアップとして,毎外キャンペーンを行った地域のマスメディアを招請したり、外国語のパンフレットやビデオを作成、配布しました。

受け入れ体制の整備ですが、リピーター対策を進めるほか、観光施設従事者の接遇研修、観光客を家族同様にお迎えする「お帰りなさいキャンペーン」を実施しています。また、有識者による観光地診断、観光振興アドバイザー派遣事業なども行ってまいりました。

TAP四国会議の開催は、「四国は一つ」との合言葉に象徴されるように、四国が一体となって広域観光推進事業を推進するための指針となりました。

今後、高速自動車道の延道や鉄道の高速化、空港の拡張など、高速交通体系の整備が飛躍的に進展し、地域間の交流が活発化していく中で、社会環境や観光に対する動向の変化などを考慮しながら、各種イベントとの連携を図りつつ四国の特色を生かした観光振興を推進するとともに、平成9年度に四国運輸局が策定した四国観光交通地域振興アクションプランや各県の振興計画等を踏まえ、四国の観光の振興を図るための各種施策を展開していきたいと考えています。

 

議題(3) 地方会議既開催県に対するアンケート結果

及び第16回中央会議での討議結果の報告

 

「観光立県推進運動」の新たな展開方針を策定し、報告書として取りまとめることに先立ち、これまでTAP地方会議を開催した29道府県に対して実施したアンケート調査の結果と、昨年11月に開催した第16回中央会議での委員からの意見及び提案の概要が事務局から報告された。その内容は、次のとおりである。

 

■21世紀に向けてのTAP(観光立県推進運動)の新しい展開方針に関するアンケート調査結果

 

運輸省は、昭和63年4月に「90年代観光振興行動計画」(Tourism Action Program:TAP90's)を策定し、観光振興を通じた地域の活性化と国際化を目指して、官・民、中央・地方の関係者の幅広い連携の下に、「観光立県推進運動」を展開してきた。

TAP90'sの策定後、ほぼ10年近くを経て、これまでのTAPの総括を行うとともに、21世紀に向けてのTAPの新しい展開方針を策定するため、今般、既開催の29の道府県にアンケートを実施したが、その結果をまとめると、次のとおりである。

なお、アンケートは、多肢選択方式(複数選択可)及び自由記入方式により実施した。以下、各項目とも回答の多い順に並べたうえで、主な意見を抜粋した。

 

1 今後のTAP地方会議の開催単位

 

(1)観光客の移動の広域化、外客誘致促進法に基づき複数県にまたがるテーマルートの設定がなされること、地域の魅力をトータルでPRすることが有効なこと等から、ブロック単位(例えば、東北ブロック、 九州ブロック)による合同開催が望ましい。(52%)

(2)従来通り、経済・社会・観光等の面で緊密な連携・相互依存関係にある隣接県(2〜3県程度)単位による合同開催が望ましい。(33%)

(3)個々の県(道・府)の観光資源や魅力を強力に訴え、誘客キャンペーンを集中実施する意味から、1県(道・府)単位の開催が望ましい。(15%)

[主な意見]

○ 観光の広域化、また、開催地の負担軽減から、ブロック単位の合同開催が適当。(愛媛県)

○ 効果的な広域観光を推進するためには、地理的に隣接しているだけでなく、テーマ・物語が構築でき、国際的にもPRできる単位であることが必要。(滋賀県)

○ インバウンド(外客誘致)や関西以西のエリアからの誘客を狙いとすれば、広域的な単位での開催が望ましく、首都圏からの誘客ならば、単県単位でも良い。TAP開催地の狙いによって柔軟にとらえるべき。(山形県)

○ 地域毎の観光の魅力を深く掘り下げて検討するには、 1府県単位が適当。(京都府)

 

2 今後のTAP地方会議において特に力点を置くべき活動内容

 

(1)観光関連産業(宿泊業、運輸業、旅行業、広告業等)の観光促進のための連携強化(20%)

(2)外客誘致促進方策の協議(16%)

(3)グリーンツーリズム、エコツーリズム、バリアフリー(弱者に優しい観光施設づくり)、低廉宿泊化、人材育成等の観光面での新しい課題についての対応策の取りまとめ(16%)

 

 

 

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