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(4)柏原の家(間取り)

?山東町の民家

山東町の民家について「山東町史(別冊)」に次のように述べている。「山東町の民家の古形式は「余呉型」に属するとみられる」その代表的な宮地家住宅(重文1754年入母屋造り茅葺妻入り)について、「平面構成はニワ・ダイドコロ・ザシキの三部分からなる。ニワとダイドコロの境には間仕切がなく、ニワは土間、ダイドコロはニウジ(入地)〔土座〕とされ、ともにすのこ天井を張っている。外観は建物の周囲に大壁をめぐらし、開口部の少ない積雪に備えた構えである。(下図)

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「山東町の農家の住宅は、平入り四間取形式を基本とし」「宮地家住宅における妻入りから平入りへの改造にみるように平入りタイプは早くから存在の可能性がある。又、山東町が湖北の南端にあり、湖東民家の平入り四間取系統の影響も考慮する必要がある。」

京格子や紅柄にみられるように京都の建物の影響も強く受けている。

 

?町絵図にある間取り

柏原の街道沿いの旅籠や建物を描いた「中山道江州柏原宿町絵図 天保二年」には間取りが描かれている(下図)は中井川の橋近辺である。

旅籠の間取りは通り庭と前土間が一緒になったと思われるL字型の土間に四間取りが多い。敷地奥には庭をはさんで離れや隠居所が見られる。(通り庭型 L字型)

町家の間取りは西に借家で片通り庭型と前土間型の間取りが描かれている。

柏原の町家の間取りは家と家との間に余裕があり、現在の住宅にも絵図に描かれた間取りの影響は濃く残っている。

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