(3)柏原の家(屋根の形)
日本の家は勾配のある屋根が美しい。雨と深く積もる雪に対してがっしりした屋根を持つ家が柏原に多い。代表的な屋根はつぎのとおりである。
?切妻平入りの家
柏原で多く見られる屋根が切妻屋根で、入り口が妻側につくものを妻入り、桁側につくものを平入りという(下図)
切妻平入りの形式は、雨と雪を裏庭や街道側に処理するためと混みあう都会型の町並みに多く見られる。屋根庇と街道側には大庇とよばれる下屋がありふところ深い、やさしい町並み景観をつくりだしている。
妻側には地棟(梁)が見える。奥行きが四間半以上になると地棟は3本になる。
?切妻妻入りの家
切妻妻入りの家は、間口を節約する町家や街道沿いの所に見られることが多い。伊勢や丹波篠山地方に切妻妻入りの町並みがあり、鋸状にはっきりとした屋根のスカイラインが生れる。
柏原には間口に余裕のある家が多く、切妻妻入りの家はあまり見られない。角地や隣地との間に路地や水路があり、雨雪の処理ができる場合に見られる。
?入母屋屋根の家
切妻屋根の妻側に庇をつけた屋根が入母屋屋根という。何層にも入母屋屋根をあげたものとして「柏原宿歴史館」がある。柏原の入母屋屋根には妻入りと平入りがあり、下図は入母屋妻入りの家(東野邸)である。建物の周囲に庭など空きがある広い敷地につくられる場合が多い。