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1-3 歴史の目から

 

メンバー:山口健治,宮川郁男,吉川悦,石本喜久子,森田馨,上野博志,吉田隆晶,桂田峰男,住田尚美

アドバイザー:谷村潤一郎

 

(1)出発前の話し合い

このグループのテーマは「歴史の目から柏原宿を見る」である。古きを知って新しきを知るである。柏原宿の歴史を通して地域の良さの発見に出発した。

歴史の目の視点は何だろうと話し合うが、史跡や道標、言い伝え、石垣、お屋敷ぐらいかなというので、明確に決めつけれない。アドバイザーの谷村さんが資料として柏原宿の昔の絵図やその他をコピーして出してくださった。これを説明しながら柏原宿を歩こうというので、大まかにだけ歩くルートを決めて出発した。

 

(2)地名でわかる町の構成

駅の近くからスタートとした。このあたりは「宿村(しゅくむら)」といって旅籠屋が多く集まっていたとのこと。今は建物も建て替わり、当時の面影を探すのはむつかしい。「中山道江州柏原宿 町絵図」を見ると7件もの旅籠屋が軒を連ねている。それだけ多くの旅人がこの柏原宿を通っていったのである。

 

(3)柏原宿の本陣が移築されていた

今は、柏原には脇本陣も本陣もその建物は残っていない。本陣は今の3戸分の敷地であったそうだ。しかし今日頂いた柏原宿歴史資料に「柏原宿本陣の建物」、「柏原宿本陣の表門」という2枚の写真がある。これは現在岐阜県不破郡宮代村南宮というところに建っているのだそうだ。先月に写真を撮りに行かれたので確かな情報。代々本陣を務めた南部氏であったが、明治期にその土地と建物を売却したそうだ。しかしその建物と表門が現存しているとは、そう思うとぜひとも買い戻してこの地へ復元と思ってしまう。本陣の隣にあった高札場も今はいわれてみなければわからない。高札の制札が滋賀県立大学に一つ残っているという。その写真のコピーも資料で見る。柏原宿から離れていったものに対する愛着がフツフツと沸いてくる。この地からなくなってから味わうさびしさである。

 

(4)大きな松の木が見てきた宿場町

脇本陣跡には立派な松の木があった。これは宿場町当時の松だろうかという話から、ふと見るとお屋敷の裏庭あたりに大きな大きな松の木のあるところがあった。あの松は相当な年齢と思える。きっと繁栄した宿場町を見下ろしてきたのだろう。柏原宿の西のはずれには松並木が残るが、宿場町の中にはどの程度の松が残っているのか、そんな視点もまち歩きに加わった。

 

(5)もぐさ屋は「亀屋さん」

「伊吹もぐさ」で有名な亀屋さんは、店頭の大きな福助人形でまずびっくりする。はじめて訪れた時には本当に驚いてしまった。そしてこの柏原の特産はもぐさであると覚えて帰るのである。昔の柏原宿の様子を聞いていると、「昔はこの家は亀屋○○さん、ここは亀屋××さん」というようにあちらこちらに亀屋さんがあった。亀屋とはもぐさ屋さんの屋号みたいもので、当時は10件ほどのもぐさ屋さんがあったのである。

 

 

 

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