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序 その2 調査の目的と進め方

 

(1)調査の目的

ホタルやマガモを育む自然環境豊かな山東町は、中山道の交通の要衝として中世以来の宿場町としても繁栄したところである。その往時の面影を偲ばせる柏原宿を対象として町並みと暮らしのおかれた現状を明らかにし、住民とともに歩む保存運動と地域の活性化の方向性を展望することを目的とした。

 

(2)調査方針

柏原宿にはまちづくりの地元組織も活発に活動していることから、専門家と地元住民の合同調査と検討により、今後のまちづくりの展望を切り開くような調査をめざした。そのため、調査方針を次の2点とした。

?地元住民と専門家の合同調査団を組む。

?さらに、調査を地元と協同して行い、各種イベント調査(調査を一つのイベントとして楽しくまた集中的に行うこと)として位置づける。

 

(3)調査の柱

調査はできるだけ具体的でわかりやすいものとし、調査内容は随時調査委員会で協議して行った。

a.広域調査・地区環境調査

・湖北地域の中での位置づけ(岐阜方面含)

・柏原宿の地区環境

b.くらし調査

・住まい方調査

・子どもにとっての環境

c.歴史調査

・柏原宿の歴史

・歴史的建物の位置づけ

d.建物調査

・典型的建物 数件実測

・柏原宿の建物の特徴

e.自然環境調査

・中山道の自然環境

・柏原宿、山東町の自然

 

(4)調査の進め方

本調査の目的が、柏原のまちづくりを住民主導で推し進め、さらなる発展の一つの契機にすることであり、市民参加の調査手法ではなくてはならない。また委員会方式のような検討、討議主体ではなく、参加者一人ひとりが調査、作業、検討、提案まで参加するワークショップによる調査システムを基本とした。ワークショップによる調査では、一回一回のワークショップの具体的成果イメージを明確にし、その成果の積み重ねを調査全体の目標に進めた。

調査体制は、専門家、地元住民による調査団「柏原宿まちなみ調査団」を組み、ワークショップ調査を行った。また、調査を進めるにあたりその検討等は、専門家、地元住民代表の「調査団会議」で行った。

ワークショップ調査は計6回行いのべ200名余りが参加した。

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