2 歴史的町並を活かしたまちづくり制度の紹介と提案
(1)第3次三雲町総合計画後期基本計画における歴史的町並の位置付け
? 第3次三雲町総合計画後期基本計画における歴史的町並の位置付け
平成2年に「第3次三雲町総合計画」が策定された。この総合計画の基本計画が平成6年をもって計画期間が終了したため平成7年から平成11年を計画期間とする「第3次三雲町総合計画後期基本計画(以下、後期基本計画と略す)」か策定されている。後期基本計画における歴史的町並の位置付けを概観すると、以下の通りである。
・(市場庄の名前が具体的に取り上げられているわけではないか)伊勢街道沿いの集落の歴史的町並の持つ高い価値が認められている。
・そして、その保存・修景などの促進に努めることがうたわれている。
・また、単に町並の景観整備をうたうだけではなく、現代的生活に対応するために、集落の裏側への道路整備などといった居住者の利便性の向上などへも配慮して、歴史・文化性と安全・快適性を兼ね備えた集落整備に努めることかうたわれている
・ただし、以上の点は、あくまで基本的な考え方を述べただけであり、積極的に伊勢街道沿いの歴史的町並の整備に取り組もうとする姿勢は十分にはうかがえない
? 策定中の都市計画マスタープラン
現在、三雲町では、平成4年の都市計画法改正に基づき、都市計画マスタープラン(都市計画に関する基本的方針)の策定に取りかかっている。まだ完成していないが、本調査報告書によって明らかになった市場庄の町並の文化財的価値などを踏まえて、後期基本計画において述べられている歴史的町並の保存・修景などへの取り組みが、都市計画マスタープラン上に明確に示されることが期待される。