トワーク、それに旺盛な活動意欲を持ち合わせている。
これは、見方を変えれば、「自分たちの地域環境は自分たちで守りたい」という住民自身による地域環境管理の一つの形態であるということもできよう。
また、余暇活動やレクリエーション活動の変遷からみると、市民(住民)参加による緑の管理運営活動は、従来のものとは違った意味を有している。すなわち、この参加者自身にとってこの活動は、無償の活動でありながらレクリエーションとしての側面も含んでいるわけで、レクリエーション活動とボランティア活動が一緒になった新しい余暇活動の形態といえるのである。
また、人によってはこの活動に参加し環境に対する知識や技術を身に付けていくことが一つの学習活動にもなり、それを通して地域への理解や愛着が深まり、地域へ貢献しているという意識も加わって「生き甲斐としての活動」にまで高めることもできる。これはまさに「生涯学習の時代」にふさわしい活動ということもできよう。欧米諸国においては、「グランドワーク運動」や各種の「環境保全ボランティア活動」にみられるように、こうした活動は我が国よりはるかに一般化している。従来の流れからすると近い将来、我が国においてもこうした活動がさらに普及してゆくものと考えられる。しかし、こうした意識の変化は大都市周辺地域でようやく芽生え始めた状況であり、当地においてどの程度の参加者が見込めるかは未知数である。
いずれにしても、この計画においては住民参加の仕組みを如何に構築できるかが成否の鍵を握っているといえよう。
4-3 計画のコンセプ卜
以上の認識から、この整備計画の主体である利用者にとってのテーマとして次の3つをあげることができよう。
?人と自然、古墳群など、それぞれのかかわりや環境、歴史などが学べる空間。
?里山の自然や雰囲気が楽しめる空間。
?自然環境の保全管理活動など体験学習のポテンシャルをもつ空間。
これらのテーマを対象区域の空間全体に当てはめて総合化すると「里山の自然・古墳・人とのかかわりを体感するフィールドミュージアム」というコンセプトを掲げることができよう。
「フィールドミュージアム」という概念は、対象とする空間(フィールド)に存在する自然(生態系を含む)のみならず、その中で展開される人間と自然との様々な結びつき(古墳やこれまでの歴史的要素、マツタケ採取なども含んだ伝統的な農林業、自然に根ざした伝統的な生活様式など)に価値を見いだし、その形態(システム)全体を保全管理し、観