日本財団 図書館


? キキョウ(キキョウ科)

秋の七草の一種である。小形の多年草でかつて全国の山地丘陵にたくさん自生していた。

それが環境の変化や濫採によって姿を消し今や環境庁のレッドデーターブックに載るほどになった。オミナエシ同様、この地域では湿原上部の雑木林との接点という、デリケートな環境に自生していた。株数は少ない。

? ネズ(または、ネズミサシ)(ヒノキ科)

本来本州では関東以西、中部以北、四国、九州の山地に自生する亜高木である。空が山形県では置賜地方の奥羽山脈に沿った凝灰岩地帯に多く自生している。それが盆地平野を距てた、小森山古墳の西端より100mほど離れた稜線に一本のみ確認した。高さは5mばかり、胸高幹径は10cm位の小木だが、成長が遅い木であるから50〜70年位の樹齢と推定される。山の所有者に尋ねたところ、他にもあったが、葉に触れるといたいので2〜3本伐り倒し1本だけ残したという。所有者に保存方を要望した。

? オオコメツツジ(ツツジ科)

本来標高1000〜1200mの高地に自生する低木だが眺山丘陵は付近の山と比較してこの植物が多いのは注目に価する。径5〜6mm程の白色5裂筒状花を咲かせる。葉の葉脈の支脈がやや平行に走りやや毛深いのが特徴である。

? ミヤマウズラ(ラン科)

深山性の矮少多年草である。全草やや多肉柔軟にもかかわらず、耐寒性が強く積雪中でも枯れることがない。古墳群周辺の雑木林の林床に点在している。濫採から守る必要がある。

? ニッコウキスゲ(ユリ科)

本来亜高帯など呼応地に多い本種が、古墳地帯周辺の湿原に少数自生しているのは注目すべきことだ。雪の多い米沢市でも周辺の地域山麓に自生地があり、やはり気候が影響しているものと考える。

? トキソウ(ラン科)

かつて眺山一帯の丘陵の凹地にサギソウと共にトキソウ、時に花の美しいアサヒランが多数自生していたが、濫採や環境の変化で見る影もなくなった。現在トキソウの確認されたのは小森山古墳南側の湿原1ヶ所のみであるが、開花期に調査すれば、まだ出て来るものと思われる。この植物も稀少植物のリストに載り、置賜地方では山地が激減した。

? コシノハナヒリノキ(ツツジ科)

ハナヒリノキに比較して葉が小さく、葉の裏面が白い、ウラジロハナヒリノキの変種で新潟県などに産するものが置賜地方にも入り込んだものである。この度の調査では鷹待場古墳山の稜線で一株確認しただけである。

? ミヤマナラ(ブナ科)

本種はミズナラの変種で深山型の亜高木である。山形県の自生分布を見ても吾妻山、飯

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION