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なのかなと思います。そこはよく議論をして、政府全体の意思を決定していけばいいのではないかと思います。情報公開の世の中なので、そのプロセスが全部見えてしまうと、何か意見不一致だなということを国民の皆様が感じ取られるかもしれないなということはあります。ただ、私どもとして、その意味で非常に難しい目標だが、最終的には政府全体としての目標達成に動いていきたいという意思は確実にあろうかと思います。ご質問ではないかもしれませんが、先ほどから途上国の問題が幾つか出ていますが、私自身は、冒頭ご紹介しましたように、日本の場合、鉄道とかバスとか内航海運が非常に初期の段階で発達をいたしており、その結果として1人当たりの自動車のCO2の排出量はアメリカの3分の1、ヨーロッパと比べても2割ぐらい低い状況にあります。私は、公共輸送機関の整備というのが途上国の運輸部門におけるCO2問題の解決の1つの大きな手だてだというように思いますし、このことを世界的にもコンセンサスをつくって、途上国においても実行していただくということはぜひ必要だと思っています。従って、運輸省としても、これから発展途上国に対する国際協力の局面で、これを強調したり、あるいは実際に技術協力をしたりということで進めていきたいと思います。

 

野 中  ありがとうございました。

 

木 村  余談になるかもしれませんが、ちょっと古くなった車、バス、そういうものを援助として提供する。そういうことも、ある程度は現実にもう起こっていて、日本からもいろいろなバスなどが寄附ないし安い価格で提供されていますが、およそニーズにかなうような範囲には至っていないわけですね。

 

野 中  といいますと……。

 

木 村  要するに、日本で廃車にするもの全部が出ていっているわけではなくて、その規模がまだ限られているという面があります。それから、今、局長が言われたインフラの整備という点では、確かにある程度のシステム、経済基盤ができるまでは次の対策、自動車の排ガス対策1つをとりましても、そこまでは……。

 

野 中  到達できないわけですね。

 

木 村  国家のエネルギーがつぎ込めるような状態ではないのですね。ある程度の経済基盤があり、モードの分担ができるような状態になってからでないと、対応ができないという問題がありますので、政策面、ソフトの面とハードの面と両方援助をしていく必要がありますね。

 

 

 

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