電力とももっと連携して、この目標を達成しなければいけないと思っております。もう1つ、省エネということから断熱効果をもっと高めようということで、老朽家屋の改修のために800億ドイツマルクぐらいが毎年必要だと言われております。しかし、ドイツも財政赤字ですので、こういった対策は現実的にはなかなか進んでいないのが現状です。
野 中 ありがとうございました。メーカと政府とのコミュニケーションというEUがこれから1つの経済圏という形になってくると、国と国との境界を超えて道はつながっているわけですし、ロジスティックス全体についてどういうふうに考えていらっしゃるんですか。
ショート ロジスティックの分野を見ておりますと、やはり市場主導型で動いています。今の物流の動きを見ておりますと、本来こうあってはいけないという方向に動いているような気がいたします。例えば欧州の企業を見てみますと、倉庫の数を減らしている、つまり拠点を減らしているわけです。ということは、在庫コストを減らそうとしているわけです。それで逆に輸送コストはふえて、輸送距離が延びていることになります。ということで、輸送量を少なくしようという方向には動いておりません。これが欧州全域の1つの趨勢であるわけです。また欧州の多くの都市では、1つのモデルを模索しております。都市としてのロジスティックスを探究しています。ヨーロッパでも大きな問題は、トラックにしろ、乗用車にしろ、ディーゼル車が多くて非常に汚く、そして都市部における渋滞を起こしたり、いろいろな交通問題を起こしているわけであります。そういった意味で、都市のロジスティックスを変える必要があると思います。手はつけておりますが、ヨーロッパは余り好ましい動きを見せていないということで今後の課題になります。
野 中 今、ディーゼル車のお話が出てきましたけれども、例えば燃費依存型自動車税制の形がオーストリアでも実施されたり、いろいろな形で各国それぞれの状況で実施されていると思うのですが、そのあたりを少しご披露願えますか。
ショート 今、ヨーロッパでもガソリン対ディーゼルについては、相当議論が分かれております。80年代、ディーゼルエンジンの方が効率がよいので、ディーゼル化を進めるべきだという議論がありました。ドイツ、フランス、他でもそういう動きがありました。しかし、一方で、ディーゼルについてだんだん知るようになるとCO2ではなく、いろんな粒子が排出される。NOxも排出される。それで政策の