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野 中  今、トラックの税金というようにご説明がありましたが、この部分は日本と少し違うので、背景を説明しておかなければわからないと思います。日本では高速道路を走るときには通行料を払わなければならないのですが、ヨーロッパではそれが基本的にないのですね。ですから、ハイウエーの建設費というのは、自家用車を買う人たちが払う税金によって補われているので、今の言葉の裏には、その部分が通行料という料金と税金という背景の違いがあることを少し理解しておいた方がいいという気がいたしました。今、シュレーダーさんからご説明がありました触媒を整備している車には税制で優遇するというお話がありましたが、土井さん、日本の場合にはもう車にはほとんどついているというように考えてよろしいんですか。

 

土 井  日本の車については、基本的に触媒が装備されている、それが普通であるということです。その意味ではヨーロッパと比べて、日本は既に進んでいる面があるということは言えると思います。

 

野 中  日本の自動車をめぐる二酸化炭素対策というのは、先ほどシュレーダーさんに8つのポイントをドイツで挙げていただきましたが、日本の場合は3ポイント、あるいは4ポイントぐらいになりましょうか。

 

土 井  3つあろうかと思います。

 

野 中  ご説明いただけますか。

 

土 井  1つは、まず技術革新によって、自動車単体のエネルギー消費効率を高めること、言いかえれば自動車燃費の向上、これが第1ポイントです。第2のポイントは、先ほどシュレーダーさんもおっしゃっていますけれども、旅客にせよ、貨物にせよ、鉄道とか内航海運とか、あるいはバスといったような輸送機関の利用を促進することであります。3つ目は、国民全体の1人1人の意識の向上を必要としますが、環境に配慮した自動車の使い方をしていただくことです。先ほどこのディスカッションの前にエコドライブのパンフレットのご紹介もありましたが、その中にも書いてるような環境にやさしい自動車の使い方を進めていただきたいということです。大きく言うとその3つだと思います。

 

 

 

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