シュレーダー ご質問いただいて、ありがとうございます。ポイントは効率性だと思います。産業においても、エネルギーの生産においても、効率を高めるということが大事なことです。もう1つは、経済をもっと環境にやさしい生産に転換させるということです。例えばコンピューターでも何でも環境にやさしくなるわけです。重工業からハイテク産業に移っていくということも、一つのカギとなります。元東ドイツでのエネルギー計算は、褐炭に基づいていましたので大変エネルギー効率が悪かったのですが、今は天然ガスに切り換えましたので、エネルギー効率が上がっています。それが答えなんです。
ショート その問題について一言私の方から申し上げたいことがあります。多くの国々もこれを目標としております。すなわち、経済成長と交通輸送に関しましても、またCO2の排出に関しても、それを切り分けようということですが、今までの実績は余り芳しくありません。1つには、世界的に貿易の成長が経済の成長を上回っているということがあります。ヨーロッパにおいて経済成長率が2〜3%、一方、国際貿易は5〜6%で成長しております。ということから、さらに交通量がふえるわけです。その結果、輸送量もふえます。
ですから、我々は局地的な問題は解決できるかもしれないけれども、国際通商ということになりますと、これは大きな問題であり、政府の方では貿易の拡大を求めており、まだ解決できていない問題だと指摘したいと思います。
野 中 これは大変重要なポイントをご指摘いただいたような気がいたします。もう少しシュレーダーさんのポイントアウトしてくださった、例えば6番目にご指摘いただいた消費者の負担、ユーザー負担のことは、ドイツでは具体的にはどういうように考えているのか伺いたいと思います。
シュレーダー 利用者負担の原則です。多くの人たち、特に環境保護団体の人たちは、結局、コストというのは利用者の方で負担するべきものであり、環境に対するダメージも含めて考えていかなければいけないと言っております。例えばトラックは、多くのダメージを起こしております。しかし、一方でトラックは、道路の保守のための税金も負担しております。ということから、我々はトラックに関しては、通行にかかる負担をふやす、例えばトラックが高速道路を使うとコストがかかる。そうなると、鉄道と比べた場合に鉄道の競争力が高まるわけです。そういった形で考えております。