を考えていく必要があると思いますね。京都会議で国際条約として温室効果ガスの対策がどこまでできるかという問題とはまた別に、むしろ地球のもっと長期的な将来のために、途上国がどう動くかという途上国のあるべき姿を検討する必要があると思います。
野 中 その長期的な部分で、COP3ということではなくて、途上国が途上国同士で考えようという場はあるのですか。
木 村 それもないことはないのですが、やはり京都会議が難しいと同じように、途上国相互間の協力の場もかなり難しく、検討を要すると思います。まだまだこれからという感じです。
野 中 ありがとうございました。さき程からヨーロッパ全体、ドイツ、そして日本のお話を具体的に伺ってまいりました。やはり共通して出てくるのは自動車をめぐる問題、燃費の向上ということもさることながら、国がどれほどかかわっていくか、メーカー側との協調関係をどうするか、あるいは消費者への優遇措置などです。この辺で自動車をめぐる問題に焦点を当てていきたいと思います。シュレーダーさん、先ほど低公害の車に置きかえていく、95年から97年の実績を見ても、この未来についてはそんなに難しくないとお考えだというお話でしたが、具体的に説明していただけますか。
シュレーダー ドイツでも今、CO2の削減を運輸部門で行うことに対して非常に大きな優先順位が与えられています。地球温暖化については科学的に十分根拠が示されていないということもありますが、だからといって対策の必要がないということではありません。省エネルギー、省資源は、効率的な交通機関を開発することと同様に、将来にわたって快適な環境を確保するために必要であります。この世代でむだにした燃料は、将来の世代にとって大きなツケとなるのです。この問題の解決の方策として4つのポイントが存在するかと思われます。1つは、戦略的なやり方で、運輸政策として、地域的な構造を変革することにより、交通量を削減しようというものです。交通量の削減をするということは、交通量を最適化すること、また輸送効率を高めることやむだな旅行を減らすことも意味するだろうと思います。2つ目は、やはりモーダルシフトです。道路交通を鉄道や内陸水運など、より環境にやさしい交通システムに移行することです。3つ目は、燃料消費を減らすための各交通機関における技術開発です。4つ目が運輸における環境への関心を高めるための情報提供及び教育であります。
Road traffic Germany 1980-2010(in kt)