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出入口のユニットは、開口部を1面有するためこの部分が弱点となり、ハンガーレール受け及び框レール受けを組込み一体型とし、更に仮補強材を加えて製作、搬入せざるを得ない。この部分のユニットが最大サイズとなり、これ以上の細分化は精度的に難しい。従って、投入条件は出入口ユニットによって決定され、目下の所、他の部分を細分化しても有効ではない。

 

(2)内かご組込みの合理的方法の検証

今回内かごは、シャフトをホームからコンコースレベル迄組立て、上からシャフト内に吊込みセットした。これは工程上の支障にはならないが、工場で組立てた内かご運搬用には専用コンテナを製作して使用することとなった。シャフト内に固定して一体的に搬入することも可能であるが全体重量が2.0tを越し、通常のコンコースの積載荷重(500kg/m2)をオーバーするためこの方法は避けることとした。内かご吊込み後、配線等の細部工事はすべてシャフト内部で行った。

 

(3)構造材と仕上材の一体化の検証

シャフトの仕上材は金属パネルとしたが特殊ファスナーを用いて直接構造部材であるアングルに取付けている。これは一般的には避けるべきことであるが、外見的に平滑に仕上が完了し、変形への追随方法も特殊ファスナーで解決している。しかしながら、このこともシャフトの精度を要求する一因であった。

 

(4)製造コストの検証

駅用直角二方向エレベーターは、2.0m×2.0mの外形寸法を実現するため、装置としての内部クリアランスも最低にしている。このため、シャフトの精度を確保するためのコストがかなり高額となる。これは、今後製作現場での研究、検討によりある程度削減することは可能であろう。また、精度を下げれば(シャフトの躯体内法寸法を増せば)ユニットの細分化あるいは、在来工法の採用等、施工条件に合せた選択も可能であり、これらは今後個々の条件に合せた検討が必要となる。

 

 

 

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