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7.2.5 施工上の総合評価

既設駅に設置する駅用エレベーターとして、当初設定した開発目標の内、施工に関するものは。?.設置に際し省スペース化を計ること。?.工事に際しなるべく旅客の流動に支障せず、短期間に施工可能なこと。?.トータルの工事費を削減できるものであった。今回開発した駅用直角二方向エレベーターについて、新田辺駅での実績を在来タイプと比較してまとめる。表7-3

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今回開発した駅用直角二方向エレベーターのシャフトのユニット化については、装置としての精度確保のために今回施工した程度までが、目下の所細分化の限度と思われる。このため新田辺駅では搬入のために仮置構台の仮設、駅務室の廊下拡巾等、止むを得ない周辺工事を必要とした事はコスト面で残念であるが、省スペース化、工程の短縮面では十分な成果を上げ、総合的に判断すれば当初に設定した開発目標を十分満足するものと言える。

 

7.2.6 今後の課題

施工性を良くすることが施工面での最大の課題となる。そのため今回エレベーターシャフトをユニット化し、工場で製作し、現場で組立て作業を行った。結果として開発目標に沿った成果を一応上げることができたが、前年度課題とした項目を実際の製作及び組立工事に照らして検証し、今後の課題としたい。

 

(1)エレベーターシャフトの標準ユニット、及び出入口ユニットの検証

今回標準ユニット細分化の可能性を追求するために細分化のしやすいアングル部材を使用したが、この材料は鉄骨材としての寸法精度に多少問題があり(通常使用にはまったく問題が無い程度であるが、エレベーター装置としての精度上は問題となる。)溶接による暴れが加わると全体としては相当の狂いが発生する。今回も各ユニットの組合せ部は特殊な工具を使用して表面を水平に研磨しているが、かなり高額となり、さらに細分化した場合は各組合せ部の処理が増加し、コスト的にもより高額となり、必要な精度も確保できないことがわかった。

 

 

 

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