5.6 駅用直角二方向エレベーターの駆動方式
角形かご室の直角二方向出入口方式で、基本仕様を実現するシステム構成を検討した。特に、昇降路外法を2m×2m以下とする為には、駆動方式の検討が最大の課題であった。
駆動方式には、かご室とつり合いおもりをロープにより組み合せ駆動するトラクション方式と、つり合いおもりのない巻胴式、油圧ジャッキによりかご室を駆動する油圧式、が考えられる。
各方式は、設置条件によりその特長を活かすことが可能であるが、開発エレベーターにおける角形かご室の直角二方向出入口と、昇降路スペース・機械室スペース等の基本仕様を満足する為には、かご室の形状を含め駆動方式を選択する必要がある。
昇降路・機械室の小スペース化の実現の為には、駆動方式として巻胴式が考えられる。巻胴式は、一般的につり合いおもりのあるトラクション方式に比べ、モータ出力と共に外形が大きくなることから、機械室への影響と消費電力の増加が懸念される。
この解決策として、図5-3に示すつり合いおもりを併用した巻胴式、すなわち、つり合いおもり付き巻胴式が考えられることから、かご室の形状を含めた実現可能性について検討した。