第6章 モデル駅における駅用直角二方向エレベーターの設置例
6.1 モデル駅における駅用直角二方向エレベーターの開発経緯
エレベーターメーカーの工場にて試行設置した駅用直角二方向エレベーターは、エレベーター単体としての評価は完了し、エレベーター単体としての本研究開発の目的は達成できた。
しかしながら、エレベーター乗場スペースなど駅舎の全体動線との整合の確認、建築構造や土木構造との整合の確認、施工性の確認、並びに広く一般の実用に供しての利便性の確認や維持管理面の確認等を検証する為にモデル駅に設置することとした。
6.2 モデル駅の概要
今回、モデル駅として駅用直角二方向エレベーターを設置したのは、近鉄京都線新田辺駅である。新田辺駅は、京都と奈良を結ぶ近鉄京都線のほぼ中間、京都から約29km、奈良から約15kmの位置にあり、京田辺市の玄関駅として位置している。一日の乗降客は28,000人、列車本数は上下各210本/日、車いす使用者は0.55人/日、昭和63年10月に橋上駅舎化が行われた。田辺町より京田辺市への市制施行にあわせて、その玄関口である新田辺駅を住みよい街づくり運動のシンボルとして、整備して欲しいとの申入れを受け、今回の工事を施工することとなった。
工事施工後の駅平面は図6-1,6-2に示す。