2.2.6 地上式の駅(対象駅、約700駅)
地上部の同一平面上にコンコース及びプラットホームを設けた駅をいう(図2.5)。従って乗換跨線橋または乗換地下道によるプラットホーム間の連絡が必要となる。
エレベーターは橋上駅同様、乗換式となるが、跨線橋あるいは地下道は乗換機能を満たすのに必要な幅で構成され、通常、エレベーターを自由に設置できるほど幅員に十分な余裕がない。
エレベーターの整備指針の対象である中規模駅から大規模駅で、このタイプの駅が数の上で40%近くにもなるが、駅ごとに条件が異なる。
プラットホームと跨線橋のレベル差は5.0m〜6.0m程度が一般的であり、地下道のケースも概略同様のレベル差である。
2.3 従来型エレベーター適用上の問題点
2.3.1 スペース
従来型エレベーターを駅などに適用しようとすると、次のようなスペース上の問題がある。
a.連続的大量の旅客が移動するため、コンコースやプラットホームにエレベーターを設置する場所に制約がある。
跨線橋や地下道などは乗換機能を満たすのに必要な幅で構成され、通常幅員に十分な余裕がない。またプラットホーム上に工作物を設置する際に旅客の安全上、柱形状のものでプラットホーム端部より、最低1.0m、壁形状のものは最低1.5m離すことが義務付けられている。一方プラットホームは、両面使用の場合幅3.0m以上、その他の場合2.0m以上、端部においては同様に両面使用で2.0m以上、その他の場合で1.5m以上とされている。当然これは、最低を定めたものであり、乗降客数により必要な割増は考慮されているが、さらにエレベーター設置の場合、その分の幅員が必要となり、十分な幅員が確保できないところが多いのが現状である。