三つ目に道路とバス停の高さをどのくらいに保つかという議論があると思います。前頁の図-10はEUの本の中から引っ張り出したのですが、バス停の高さを27センチぐらい(スロープの勾配がほとんど無しになる)にしてしまおうとか、バスのフロアのレベルと同じ高さにしてしまおうとか、そういう考え方もあります。
? 道路とバス停の高さ
日本にそれをそのまま持って来るかどうかは別問題だろうと思いますが、日本の場合は車両から高さ20センチの歩道も国道にはまだあります。段差切り下げのスロープをつくるにも15センチ以上だとうまくすりつかないので、歩行空間から考えると10から15の間のレベルが妥当だと考えられます。そうするとスロープの勾配を0センチあるいは昇降の段差を無くすためにはバス停をちょっと嵩上げする必要があるかもしれない。
上の図-11がEUのわりとよくデザインされたバス停だそうです。こんなバス停をつくると歩道が5〜10メートルぐらいの幅員を必要としますので、日本ではニュータウンでやっとやれるかどうかという代物です。したがってバス停環境についても欧州のはあまり参考にならないかもしれない。日本独自のものを開発する必要性が高いだろうと思います。
それから中・小型車両のノンステップバスの開発が当面必要なのかなと思います。大型のノンステップバスをつくっても、コミュニティバス型にはほとんど使えませんので、コミュニティバス型、スペシャルトランスポートのノンステップ化が今後は必要になります。
(2)社会政策
技術的課題はそのくらいにいたしまして、社会政策として3点ほどあげました。