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コストの意識なしに環境を保全することも出来ませんからそれは結局栗原先生もおっしゃいましたように、 やはり車社会におけるマイナス経済というところを、 一体誰が負担するのかという問題と連動するわけですから、 公共交通側がそれを引き受けるとなれば、 そこに伴うコストというのはいずれにしても使う側の私たちがどうやって手当てするのかということも考えて行かざるを得ないと思います。 ただ、 1点言えることはマイカーからバスに移転した場合の試算をしてみたのですが、 だいたい年間80億円の時間短縮効果が生まれます。 需要がだいたい2〜3万人つくだろうと予想しているのですが、 それだけの時間短縮効果を、 バス停の設置費用だとか運行費用をバランスシートに乗せるかどうかということを考えていけば、 それなりに手当ての仕方が出てくるんではないかと思います。 いずれにしても私たちは具体的にはそういうことを考えています。 少しまとめますと、 公共交通の側に車利用者を移転する。

そして車社会のありようを変えて行くということになれば、 使う側、 あるいは利用する側の私たちの提案とか動き方とか、 あるいは行政への参加のしくみと言いましょうか、 そういうソフトの開発を是非準備をしていただきたいし、 生意気な事を言えば、 我々の仕事がNPOだとすればNPOの仕事領域を、 ある意味では作っていただく行政側のしくみづくりあたりも出来てくればもっと面白い交通社会が出来上がるのではないかと思います。 あと、 具体的にはもう少しでございますが、 また機会がありましたら後程申し上げたいと思います。

 

(後藤)

ありがとうございました。 それでは先ほど地域の取り組み事例をご紹介いただきました高橋課長でいらっしゃいますけど、 九州の中でも先ほど熊本でございますとか北九州以外にもTDM政策を実施しております都市がございます。 大分ですとか長崎ですとか。 それ以外にもいろんなそういう問題についての興味なり、 あるいは取組をしたいといったような思いを持っている自治体もあろうかと思いますけれども、 是非その九州の自治体に、 鎌倉市が取り組まれた際に、 いろんな問題にあたってそれを解決していかれたんだと思いますけれども、 問題を解決していくアドバイスといいましょうか、 その辺を聞かせていただければと思いますが。 

 

 

 

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