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実は私どもの会の中で利用者の皆さん、 あるいは会員の皆さんからいわれることは、 やはりこの車社会に対しては、 非常に問題意識が高くなっていると私は受け止めております。 この車社会の流れを何らかの形で変えないと街の賑わいだとか街の魅力だとか、 あるいは生活のそういう意味では真の豊かさだとか、 そういうものがやはり失われてくるのではなかろうかと。 従って公共交通が頑張ってくださいということではあるのですが、 その頑張り方を具体的に提案していく。 しかも利用者サイドから提案していくということが非常に重要ではないかということにも気づいたわけです。 実は、 先ほどのご紹介の中でいくつか、 あるいは栗原先生もおっしゃいましたが、 それから鎌倉市の高橋課長さんもおっしゃったように、 利用するサイドと申しますか、 市民サイドが、 この交通の計画なり、 街づくりにどのような形で関与するのかという所がどうも鍵になりそうな気がする。 成功するかどうかというのも、 その辺の参加するソフトの開発というのが非常に大きいウェイトを占めるのではないかということも分かってきました。 そこでそういう市民が参加する団体の一つとして提案申し上げたのが、 これだけ膨張してる福岡市での車社会を変えて行きたいということです。 都市高速道路というのが福岡にはございますが、 政令市にはそれぞれ都市高速道路というのがあるんですが、 福岡の都市高速道路が、 正式には21世紀初頭ということになってるのですが、 伝えられる処によれば、 ここ10年くらいで福岡を環状化した形で都市高速が出来上がる。 ひょっとしたら来年あたり事業化されるというお話も伝え聞くところでありますから、 今迄そういう道路というのが一方ではマイカーだとか物流だとか、 まあ、 そういうものでしょうね。 そういう所だけに焦点が当てられていたのですが、 そういう都市高速を公共交通が有効に使って行くという観点というのが恐らくなかったのではないかと思います。 そこで、 それを思いついたというのは、 都心部に高速道路が出来るということによって流入する交通量というのは圧倒的に増える。 通過交通を排除するという、 一方ではそういう見方もあるんですが、 やはり流入する交通量が相当あるということもあって、 その車交通の流入量を減らし、 公共交通に移転させることで、 うまく公共交通側であるバスが都市高速道路を利用することを提案したわけでございます。

これも長くなるのですが一つだけ申し上げますと、 高速道路、 高架上の道路ですが、 そこにバス停を設置する。 バス停というよりは、 バス駅と言った方がいいくらいの施設になるかもしれません。 おそらく首都高速道路なり各地の都市高速道路ではそういうものはないかもしれませんが、 そういうものを準備することによって始めて郊外からの車が都心に入る量を少しでも公共交通側に移転するという一助にはなるのではないかと思います。 それにはお金が伴うもんですが、 これは私はここで是非申し上げたいのは、 やはり環境はコストがかかるということを申し上げたいと思います。

 

 

 

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