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特に朝夕のラッシュ時間帯にはマイカーの中にバスが飲み込まれるというような状況であるということは皆さんも毎日ご存知の通りであります。 因に、 福岡市の中央区天神でバスの定時発車ができているかどうかという調査を先日行ったところでありますけれども、 7時半から9時までにあるバス停で23本のバスが、 到着、 出発していますが、 この中で定時に出発をしたのが17%の4本。 5分までの遅れというのが6本で26%。 6分から9分遅れというのが26%。 10分以上遅れというのは30%ございます。

平均で8分16秒の遅れと言うことで、 非常に定時制の確保ということでは問題があるということでございまして、 こういう状況の中でバス離れというのが非常に大きくなっているということでございます。 こうした状況を少しでも回復する必要があるということで、 警察を始め関係当局のご協力によりまして、 バスの専用レーンであるとか、 バスロケーションシステムであるとか、 そういうものを設置をしていただいて、 優先通行に取り組んでまいっておるわけでありますけれども、 残念ながらこの10年を見ましても非常にバスのお客さん離れというのは起こっております。 この10年の間でも、 昭和62年を100とした場合、 平成8年で82と、 年間2%弱のお客様が減ってるということで、 減少に歯止めが掛からないという状況でございます。 ですから、 今後は、 これまでの取組に加えましていろいろな取組を、 中でも今問題になっております環境問題との関係、 すなわち自動車の総量をどういう形で減らして行くのかというような形からのアプローチというものが大事になってくるのではないかというふに考えている所でございます。 まず、 最初に皆さん方は十分ご承知かと思いますけれども、 バスと乗用車との関係ですが、 特に輸送効率であるとか、 エネルギー効率であるとか、 それがどういうふうになっているかというのを若干、 述べさせていただきますと、 輸送力の面で行きますと自動車は1台1.7人平均乗っておるということでございます。 バスが平均で60人ということでしますと、 バスは乗用車の35倍。 それから道路占有はどういうふうになるかというと、 バス1台で35倍の乗用車に対する輸送力を持っているというから計算しますと、 道路占有はだいたい30分の1くらいのようであります。

 

 

 

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