日本財団 図書館


特に地域の中でどういった取組のしかたがありうるのかといったようなことを焦点を当てましてこのパネルディスカッションを進めさせていただきたいというふうに思っております。 また更に申し上げれば環境というのが今回のテーマでございまして、 非常に重要な分野でございますけれども、 街づくり自体のことを考えますと一つ一つの取組がいろんな面を持っているんだと思います。 都市はいろんな、 例えば高齢化の問題でございますとか、 交通渋滞の問題、 あるいは市街地の活性方策を考えなければいけないといったようないろんな問題を抱えているということでございまして、 一つの施策がいろんな面を持っているということだと思いますので、 環境というものを切り口にして街づくりを考えてみる、 そういった観点からのご議論もいただければというふうに考えております。 それではまず最初に、 運輸部門におけます環境問題の現状ですとか課題、 そして取り組みにつきましての全般的な問題につきまして岩崎課長の方からお話を願いたいというふうに思います。 お願いいたします。

 

(岩崎)

運輸省自動車交通局で企画課長をしております岩崎でございます。 よろしくお願いいたします。 冒頭、 栗原先生からお話がありましたとおり京都会議に向けて環境対策をどうしていくかというのを一生懸命やっておるわけでございます。 今、 2010年にの排出量をどれくらい削減するかというのをこの京都会議で議論されるわけでございますけれども、 EUの方は15%削減と言い、 アメリカの方はゼロ%だと言い、 日本は5%というようなことをお話ししておるわけでございますけれども、 この目標というのは今後、 この京都会議の中でどのように決まっていくのか予断を許さないわけでありますけれども、 いずれにせよ相当ハードルの高い目標でございます。 特に、 運輸部門は今までのお話しにもございますように1990年と95年を比較しましても既に16%伸びている状況でございましてこれを減らして行くというのは、 なかなか至難の業であります。 新しい施策、 新しい体系を考えていかないとなかなか難しい。 この厳しいハードルをどうやって乗り越えていくかというのを皆さんで、 我々も含めて考えていかなきゃいかん、 こんなふうに思っておるわけであります。 一番単純に考えて効果があるのは車を走れなくすればいい、 車の走行規制をすればいいじゃないかという、 こういう議論があるわけでございます。 現にシンガポール、 ソウル、 アテネでマイカーの走行規制ということで日によって偶数のナンバーの車しか走っちゃ駄目ですよ、 あるいは走るときには相当お金を払わなきゃ駄目ですよ、 といった規制がやられておるわけです。 こういう規制をすれば環境対策とし効果があるわけですが、 日本の現実に照らして考えてみますとこれは非常に難しいんじゃないかなと考えております。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION