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和歌山県の魅力を伝える情報発進がかけていないか

 

水田 高橋さんは、旅行社がエコ・ツーリズムの商品を開発するのは難しいとおっしゃいましたが、和歌山県でそれをおし進めるとしたら、和歌山の魅力をどのように活用できるのでしょうか。あるいは、移動のための公共交通機関に期待されるものはなにか。

高橋 いま、いただきましたお話を実現するというのは難しいように思います。しかし、アメリカの旅行代理店はすでに、「こういう約束をして守ります」、「こういうことをする旅行会社です」などと消費者のみなさんに宣言する時代になっています。日本の流通業関係の動向をみていますと、だいたい5年から7年程度、アメリカに遅れて同様のことを始めるという流れがあります。日本の旅行代理店も早晩、エコ・ツーリズムに対してコミットメントを発表するほどの積極的な取り組みをするようになると思います。

そうなったときに、和歌山県の魅力がどうこうではなくて、逆に私たちがぜひとも和歌山県にお願いしたいことがございます。といいますのは、このエコ・ツーリズムは、時間消費型のツーリズムにつながるからです。先ほど織田さんがおっしゃった「温泉・グルメ・女性」のお話ではないですが、「温泉・グルメ・ショッピング」というものが、いまの旅行代理店の商品企画の一つのキーワードになっています。そうではなくて、時間消費型の旅行商品をこれからつくらなくてはいけないと思います。勤労者の年間所得が日本人は600万円程度で、アメリカは3万ドル弱しかないということから考えると、日本人の勤労所得はこれ以上伸びないだろう。金銭消費型のツーリズムではなくて、時間消費型のツーリズムをこれからは考えなければならないと思います。

和歌山県には、熊野古道をはじめとして、自然や文化資源が豊かにあります。それだけに、時間消費型のツーリズムの受け皿となっていただける、旅行素材を提供していただけるのではないかなと思っております。また、先ほど申しあげましたように、時間消費型に変わってゆく価値観を日本人がもたなければいけない時代になるだろうと思います。ぜひともそういう価値観をもてるような情報発信を、和歌山がもっている魅力のなかで、繰り返し、繰り返し、息長くやっていただければありがたいと思います。

 

 

 

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