「レクリエーション旅行」には自動車の複数人利用を
二つ目のレクリエーション旅行は、スキーやゴルフをする目的型の旅行です。したがって、対象地域内での周遊移動はほとんどありません。目的地までのピストン輸送になり、時間的・時期的に集中します。たとえば、中国自動車道の吉川インターは、土曜日の朝になりますと列ができて、なかなかインターチェンジを下りられない。ゴルフの方がたが渋滞をつくってしまっている。スキーに行かれる方は、冬の時期に集中してしまって、渋滞のためになかなか前に進まない。そういうご経験はおありだろうと思います。
このタイプの旅行は、どうしても荷物がかさばるために自家用車利用が多くなります。こうした旅行には、1台の車に複数の人が乗車するようにしむけるインセンティブが必要ではないかと思います。たとえば、複数人数乗車の乗用車にたいしては高速道路の料金に割引制度を導入するとか、バス・レーンと同じように専用レーンを設けるなどのインセンティブで、複数の人が1台の車に乗る方向に誘導することが必要ではないかと思います。
「イベント、コンベンション」にはパーク・アンド・ライドで
最後が、イベント、コンベンションです。これは開会式などに一時に集中するために、公共交通機関を使った計画的な輸送がどうしても必要になります。昨年は大阪で「なみはや国体」が開かれ、3万5千人の方が参加されました。観客を含めると開会式に、6万人から7万人の方が長居の陸上競技場に一時的に集中しました。もし自家用車を利用しての来場になると、にっちもさっちもゆかなくなります。このときは貸切りバスを中心にして、地下鉄御堂筋線のなかもず駅と新金岡駅に大駐車場を設けまして、そこに観光バスをまわし、監督や選手のみなさまがたにはそこで降りていただいて地下鉄を利用して長居までお越しいただきました。いわゆるパーク・アンド・ライドを実施しました。
自家用自動車の利用を少なくして、こうしたイベントに参加する方が嫌気をおこさないように配慮することも必要です。「もう、行くのはやめようじゃないか」と思われてしまったら、イベントやコンベンションを催す価値自体がなくなってしまいます。そういう参加意欲を減退させないことを念頭におきながら、計画的な輸送が必要だということです。
以上が、私たち旅行代理店が、観光と交通の関わりで感じていることであります。
水田 現場の体験をふまえて、エコ・ツーリズムの商品としての難しさ、あるいは観光交通としてあるべき姿を三つに分けて紹介していただきました。
続いて、織田さんには、市民の環境意識を育てるための家庭教育というのでしょうか、マス・メディアの役割の重要性などについてお話しいただけたらと思います。