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エコ・ツーリズムの3K――環境・健康・休養

エコ・ツーリズムといわれますが、日本には古くは温泉浴、明治以降には海水浴、昭和の後半になると森林浴がでてきます。この三つの浴というのは、実際にわれわれがエコ・ツーリズムを展開するときに考えるものではないかと思います。この三つの浴に含まれる環境、健康、休養という要素は、エコ・ツーリズムの3Kみたいなものです。和歌山県はこの要素を満たすのですが、これは和歌山県だけはないのです。現在は、こういうことに心がけて観光を展開する時代のようです。そういう取り組みの時代です。

昔の和歌山県には観光地がたくさんあったと思います。しかし、ご批判はあるかと思いますが、いまは観光地は減っていると思うのです。ただし、旅行地は増えたと思います。私は、旅行地を観光地に戻さないと、和歌山県の観光振興はうまくゆかないと思います。

旅行地といいますのは、そこに行くことが目的になる土地です。先ほど、市長さんは観光都市だとおっしゃいました。私も、和歌山市は旅行都市ではないと思います。しかし、観光と旅行とは違います。エコ・ツーリズムとエコ・サイトシーイングとは違うと思うのです。そのあたりをご理解いただかないと、環境に適した、環境にやさしい観光――エコ・ツーリズムのあり方の議論は、なかなか先にゆかないのではないかと思います。

先ほどから、環境問題と関連して、サイクリングやトレッキング、ウォーキングなどをどう採り入れるかという話題がでています。たしかに、アメリカの自然公園でも、トレイルという名称の歩くための道路がたくさんございます。自然や森林のなかを歩く道がつけられています。やはり、歩くとかサイクリングなどの自力による旅は、いまの時代の観光のあり方の一つではないかと思います。

観光という言葉には広い意味がありますが、いろいろな地域・要素を結んで、広い地域の観光振興を考える必要があるのではないか。そういう考え方のなかでエコ・ツーリズムを考えてみたらどうかという提案をして、前段を終わりたいと思います。

水田 観光立県を和歌山県はめざしていますが、そのなかで観光地は減少しているという少し衝撃的な発言もありました。次の高橋さんには、観光の現場での経験をふまえて、「環境に配慮した観光と観光交通」について具体的にお話しいただけたらと思います。

 

 

 

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