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まもなくワールドカップ・サッカーが始まりますが、パリ郊外のスタジアムのあるサンドニでは、数年前に路面電車が復活しました。この復活過程をみておりますと、街路、道路と車体、周辺の町並み形成が一体として行なわれています。すなわち、道路事業、景観形成の問題、環境の問題が一体として展開しています。

私は、大阪浪速筋線に二つの幅をもつ鉄道を同時に走らせたいという構想を、古くからもっております。ヨーロッパでは、路面電車級の電車と都市間鉄道の電車とが、同じトラックにはいっています。幅は違いますから片方だけがプラットホームに接して、乗り降りできるようになっています。公共的な手段を社会に取り戻し、活用している例です。

第三点は、道路、鉄道、歩行、自動車、水運というさまざまなマルチ・モーダルを可能にする施策を進めるということ。飛行機もその一つです。オランダのアムステルダムを訪れると、カヌーで漕いで楽しんでおられる方があるかと思えば、自転車で市内を移動している方もいる。多様性が必要だということです。

第四点は、まちづくりとの連携を積極的に展開してゆくこと。いろいろな地域で自転車移動を主体にしたまちをつくったらどうかと提案されているが、なかなか実現できない。しかし、ハウテンという約300ヘクタールほどのまちでは、自転車なら5分のところが、車だとグルッとまわって10分かかってしまう構造にしている。それでも、喜んで住まう人がいる。そういう考え方が、マルチ・モーダルを実現しているのです。

第五点は、道路審議会の総合政策部会でもきちっと位置づけられて答申がなされていますが、社会実験を進めましょうという提案です。すなわち、利害関係にとらわれていると、よい提案でもなかなか実現できない。コストが高いとか、だれがそれを負担するんだといったことになります。それを突破する手段が社会実験です。

 

 

 

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