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環境効率、エコ効率の考え方は、交通だけではありません。私たちの社会全体を変えてゆこうというスローガンになっています。しかし、私たちの欲求を実現する、生活の質を高めることに対して、「あなたはそれをしてはいけません」とか、「途上国はだめだよ」などとはいえません。したがって、その際に必要な資源の消費、あるいは二酸化炭素等の環境負荷の排出を抑えようということです。ICPPという国際的な気候変動を科学者として予測し、対応を提案しているグループがありますが、この活動の一環として、人間社会的な側面――私たちの暮らしをどのようにするのか、その暮らしにふさわしい社会のしくみをどうつくるのか、そのしくみにふさわしいインフラをどう整備するのかなどを一体として考えようとしています。そのなかで先ほど申しあげた「持続可能な交通」を考えるグループも、たいへん活発に展開しています。

「持続的発展」を実現させるうえでの五つの留意点

その際、私からみたいくつかの留意点を申しあげます。第一点は、供給者とユーザーとの連携をこれまで以上に図らないといけないということ。バス事業を行なっておられる方も、それに乗っておられる方も、車の利用者も、地方自治体の関係者も連携し、しかも需要そのものをコントロールする方向で働きかけないといけない。森津先生のお話にもございましたが、場合によっては需要コントロールにも手をつけてゆこうと。その際に、車がだめなら歩く手段も、自転車も、公共交通手段もあるというかたちで代替案を示しながら、連携して進めましょうというのが第一点です。

第二点は、9分の1の環境負荷だと森津先生がおっしゃった公共交通手段への移し替えを、もっと積極的に展開しようということです。この事例については、ライト・レール・トランジットとよばれる軽量の低床型の路面電車を、私たちの暮らしのなかに位置づけしなおして普及してゆきましょう。バスも、バリアフリーのみなさんに使いやすい低床型にしましょう。このような運動が世界じゅうで拡がっています。

 

 

 

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