高知県の四万十川は、「日本最後の清流」としてマスコミ等で紹介され、観光客は年々増加しています。四万十川は、四国でもっとも長く、本流の長さは196kmありますが、そうした大河のわりには激流や早瀬は少なく、川の流れが緩やかで、浅瀬の多い川です。とくに岩場が少ない中流から下流にかけては川幅も広く、初心者でも安全にカヌー・ツーリングが楽しめます。そのため、さまざまな業者や地元自治体によって、リバー・ツーリングが行なわれています。地元の業者以外にも、四国や関西を中心にした比較的小規模の業者が、クラブ的な運営でアウトドア関係の雑誌などでお客さんを募集していることが多いようです。基本は1日のツーリングですが、なかには途中の川原で寝泊まりしながら、中村市、土佐湾の河口まで下りきるツアーもあります。
また鹿児島県奄美大島では、日本ではめずらしいマングローブが群生する密林でのリバー・ツーリングが行なわれています。和歌山では、紀の川や熊野川でのツーリングが知られています。
ところで、カヌーは先にも述べましたように、エコ・ツーリズムの観点からすれば理想的な乗り物で、スポーツとしてももっと普及してもよいはずです。しかし、わが国ではまだ大衆レジャーとして認知されているとはいえないようです。もちろん、カヌーに乗るには若干の技術が必要ですが、川下りの場合、なにもしなくとも基本的には川の流れの力だけで下流に流れるように進みます。流れの緩やかな川で短い距離をのんびりツーリングするなら、テクニックはほとんど必要ないといってさしつかえないほどです。ただ、水がかかりますから体が濡れることと、ふつうのボートにくらべて少し不安定ですから、沈没の不安や恐怖を感じる人も多いようで、そういうことが広い普及を妨げる原因となっているようです。