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電気自動車の普及の可能性

 

先ほど、1996年度末での日本の電気自動車の普及は2,700台と申しあげました。この図は1995年度末までですから、2,500台となっています。図は、上から原付自転車、軽自動車、特殊用途車、バス、貨物車、乗用車の順で示しています。軽自動車を主体として、ある程度かぎられた用途で使われてきたのが実態です。しかし、ここ数年は、数は少ないのですが、乗用車タイプのものや貨物車タイプのものなどが増えつつある状況です。

現在、販売されている電気自動車について、横軸を車両総重量、縦軸を一充電当たりの走行距離でプロットしたものです。左下のほうに、原付自転車や軽自動車が固まった状態になっております。右のほうに、貨物車も最近登場しております。マイクロバスもございます。航続距離は100kmからそれ以下で、まだまだ遠距離走行にはむかない状況です。最近では、200km前後のところに小型乗用車や普通乗用車がプロットされています。従来ですと鉛電池が主体でしたが、エネルギー密度の高いニッケル水素電池やリチウムイオン電池など、新しいタイプのものが登場しています。それらを載せたのがこの図に示した乗用車で、航続距離は少し伸びてきています。

電気自動車は、航続距離が短い、電池の寿命が短い、価格が高いなどの問題点を抱えております。まだまだ研究段階ですが、将来的には期待されている技術として燃料電池電気自動車――フューエル・セル・EVがあります。

燃料電池が初めて使われたのは、アポロ計画の宇宙船だったといわれています。燃料電池というのは、原理的には水の電気分解の逆です。触媒を介して水素と酸素とを反応させ、化学反応エネルギーから直接電気エネルギーを取り出します。発電効率がたいへん高く、従来の内燃機関にくらべても効率が高いのが大きな特徴です。発電した電気でモーターを駆動します。各社ともいま鋭意、開発を進めている技術の一つです。

水素と酸素を使用しまから、基本的には有害成分は出てきません。CO2も出てこない。図は、水素をそのまま貯めるタイプですが、水素ではなく、液体であるメタノールを搭載して、車載した燃料改質装置を設け、メタノールを原料として水素をつくります。同時にCO2も出てまいりますが、そういう燃料改質型のものも研究・開発が進められています。ただし、燃料電池電気自動車はまだまだ先の技術だろうと思っております。

 

 

 

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